第5話「新たなる第一歩」

翌日、ミリアはいい目覚めをした。そこに…ガレンさんがやってきた。

「ミリア様、起きていますか?」

「はい。今起きたばかりです。」

「昨日、言っていた、身分証明書を作りに行きましょう?そこで朝食なども一緒に。」

「分かりましたすぐに仕度するのであった。」

いつも皇女の時は使用人がいて着替えなどを手伝ってくれるが…今日からは1人っきりで自分で着替えたのであった。

仕度が終わり、部屋の外にガレンさんが待っていた。

朝早く、ガレンと一緒にある場所に行くのであった。そこはギルドでガレンは説明を始めた。

「ガレンさん、ここはギルドですよね?どうしてここに?」

「それはね、役所を兼ねたギルドなんだ!」

「そうなんですか?」

「もともとは別々でやっていたけど…、ある時にギルド内に役所が一緒になることになったんだよ。」

ミリアは頷いた。ガレンと一緒にギルド内にはいるのであった。

そして、ガレンは1人の役員にミリアの事を話しすぐに身分証明を作るのであった。

それから朝食を食べて、サクヤ商店に戻り、ガレンは一度ミリアと別れて、ミリアはサクヤ商店を訪れた。

ミリア・サクヤは思った…。

(これがかの有名なサクヤ商店。いろんなアイテムや素材などを扱い、各地に提供する商品を輸入し、足りない商品は各地に輸出しているんだ)

すると…、そこにいつの間にかガレンさんが戻ってきており、近づいて耳打ちをした。

「何をしているんですか?ミリア様。」

ミリアは驚いた。

「ビックリさせないでくださいよ。ガレンさん。」

ガレンは笑い、開店前の準備をしている従業員たちを呼んだ。

「皆様、開店準備中にすみません。今日からこのサクヤ商店に旦那様の娘…、いや従業員として働いてもらう人を紹介します。」

「ミリア・サクヤと申します。未熟な娘ですがよろしくお願いします。」

従業員一同は拍手をしたり、私の所に来てあいさつなどをしてくれた。

そしてミリアは思った…、(これはリーフレット王国のため、資金難の勉強をしないといけない)と心の中で思っていた。

ミリアは、再び商店の隅っこで従業員がやっていることを見ていた。

それから30分がたち、ガレンさんがやってきた。

「ミリア様、見ているだけでは経験にならないので俺と一緒にお客の接客をして見ましょう!」

「えぇ!?」

ミリアはこういうのは初めてで、もしミスなどをしたら…お客様や従業員に迷惑をかけてしまう…と思い始めた。

「分かりました…。」

そして、ミリアは接客をするのであった。接客を始めて1時間ガレンさんが横にいたことで自分なりに接客をできた。すると、ガレンさんが旦那様に呼ばれ、1人になったミリアは…先輩の従業員はつかずにひとりでやることになった。

「すみません。この商品を買いたいのですが…」

ミリアは思った、他の従業員は他のお客で対応中だし、ガレンさんは旦那様の所に行っていていないし…ここは1人でやるしかないのか…?

「あのーすみません。」

「はーい、今行きます。」

そしてミリアは1人で対応をするのであった。

「えっと、この商品とこの商品をお願いします。」

「少々、お待ちください。すぐに用意をいたします。」

お客様を待たせるわけには行かないため…商品を用意しお客様に手渡した。

すると…そのお客はこう言った。

「君…私が言った商品とあなたが用意した商品と全然違うではないですか?」

「え?そんなはずは…」

ミリアは少し焦った。

「商品を確認させてください。」

ミリアは商品を確認すると、確かに商品は違っており、私が用意したものがいつの間にかすり替わっていた。

するとそこに、いつもの従業員がそのお客に買おうとしていた商品を渡したのだった。

ミリアは困惑し…初めて失敗したと思い始めていた。

そして、ミリアは初日でこんな状況だと・・・リーフレット王国の資金難の解決にはいかないと思い、今日の仕事は途中で切り上げて自分の部屋に戻りそのまま寝たのであった。

次の日、ミリアはサクヤ商店に行くと…そこにガレンさんは居なかった。

私は今後一人でこの店の従業員として居ていいのか…と思っていたら…、1人の従業員が声をかけてきた。

「あの…ミリアさん、昨日は大丈夫でした?」

「ええ…大丈夫ですが、あなたは?」

「忘れてました。私は、この商店で働いているジュリアです。」

「ジュリアさん、ありがとうございます。今日は裏方に回ろうかと思っていまして…。」

「そうですが…、でも昨日のことはあなたのせいではありませんよ!」

「え?それはいったい?」

「昨日は、お客様はいつもこの商店に来ては、新人を見つけてお店の営業妨害をするお客様がいるんです。私も一度あって先輩に同じことを言われたんです。」

「そうなんですね?」

っと、ミリアは従業員の話を聞いて少し安心をした。すると、開店前にガレンさんがやってきて、私の所にやってきた。

「ミリア…旦那様がおよびだ!」

「私ですか?すぐ行きます。」

ガレンと一緒にアーロン・サクヤさんがいる部屋に行くのであった。

「旦那様、ミリアを連れてきました。」

「ミリアよ!昨日は少し大変だったようだな?」

「どうしてそれを…」

「従業員から連絡をくれたんだよ!」

「そうだったんですね。でも、私はこんなことで失敗したとは思ってません。」

「そっか!ミリアよ、今日は君を呼んだのは…他でもない。」

「なんでしょう?」

「実は、もう時期リーフレットの街の生誕祭があるんだけど…、そこでミリアにはイベントの提案や主催者側としてやってほしい。」

「えっ!?私ですか?」

ミリアは驚いた。

「ああ、ミリアは今後王国や街がどうんな風に変わるか知りたいだろう?だから、君を呼んだわけだ。」

「あ、ありがとうございます。アーロンさん、私はここに来てまだ1日しかたってないのにこんな役目を?」

「ああ。これは君の王国の資金難としても役立つだろうと思ってな?」

「分かりました。頑張ってみます。」

「今回は、君1人でやるとなると少し難しそうだと思うから従業員の何人かと協力して頑張ってほしい。」

っと、アーロン・サクヤ(サクヤ店の亭主)から言われたのであった。

「イベントの提案か…。これは王国の未来にも関わる重要な仕事。絶対に成功させないと!」

ミリアは心の中で決意を新たにした。

その後、アーロンから具体的な日程や予算の概要が伝えられ、ミリアは早速計画を練るため従業員たちと会議を開くことにした。会議室に集まったのは、各部門の担当者たちである。

「皆さん、初めまして。ミリア・サクヤです。今回、リーフレット街の生誕祭イベントの主催を任されました。一緒に成功を目指しましょう!」

緊張しながらも、自分の意志をしっかりと伝えるミリア。その姿に従業員たちはうなずき、協力の意志を示した。

「さて、今回のイベントでは、街の魅力を最大限に引き出し、多くのお客様に喜んでいただける企画を考えています。アイデアがあればぜひ教えてください!」

すると、従業員の一人が手を挙げた。

「例えば、街の特産品を使った料理コンテストなんてどうでしょう?参加者も多く集まりそうです。」

「それは素晴らしいアイデアですね!他には?」

別の従業員が提案する。

「手作り雑貨のマーケットも良さそうです。地元の職人さんを招いて、直接お客様と交流してもらう形で。」

ミリアはそれぞれの提案をメモし、議論を進めていく中で、全体の骨組みが少しずつ形作られていった。


会議が終わり、部屋を出たミリアにジュリアが声をかけた。

「ミリアさん、会議お疲れ様です。初めてとは思えないほど堂々としていましたよ。」

「ありがとうございます。でも、まだまだ不安ばかりです…。特に当日までの準備がうまくいくかどうか。」

ジュリアは優しく笑いながら言った。

「私たちも全力でサポートしますから、一緒に頑張りましょう!」

その言葉に励まされ、ミリアは気合を入れ直した。


その夜、ミリアは自室でイベントの計画書を練り直していた。過去の生誕祭の資料や街の特徴を活かすための情報を収集し、最終的な企画案をまとめ上げた。

(これでリーフレット王国の資金難を少しでも改善できるように…。そして、父や国のみんなにも誇れるような成果を残したい!)

ミリアはそう強く思いながら、静かに目を閉じた。

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