アナ雪2のAURORAちゃんの歌詞①

 今回は、ノルウェーのシンガーソングライターであるAURORAの曲の歌詞を紹介したい。

 AURORAは、映画『アナと雪の女王2』において、「不思議な歌声」を演じている(「イントゥ・ジ・アンノウン」の「あぁ〜あぁ〜」の声)。

 彼女は英語で作詞し、歌うので、英詞と日本語訳の両方を掲げる。


If I am left with a rose in my hand, let it die
 

It’s the beauty in forgotten love

And I don’t care if you don’t understand why I cry
 

It’s the beauty in forgotten love


もし私の手に1本のバラを残されたら、枯らしてしまう
 

それが忘れられた愛の美しさ
 

もし私が泣いている理由をあなたがわからなくても、気にしない
 

それが忘れられた愛の美しさ

         (「Forgotten Love」)


「rose」「die」「beauty」「love」といった、はかなくも美しい単語が散りばめられている。バラは枯れて、跡形もなくなってしまう。愛もいつかは忘れられてしまう。しかし美しさは永遠に残る。たとえ実体がなかったり、すぐに消えてしまうものでも、一度言葉にすれば残像が残る。それが詩の素晴らしさだ。


 次はもう少しダークな歌。


He told me I belong in a churchyard
 

He told me I could walk away but I wouldn't get far
 

Tell me how do people know what is hurt, what is love?


彼は言った 私の居場所は墓地だと
 

彼は言った 歩いて出て行っても 遠くへは行けないだろうと
 

教えて 人々はどうやって傷つくことと愛の違いを知るの?

           (「Churchyard」)


 私は特に3文目の、「傷つくことと愛の違い」についての言及が秀逸だと思った。本当は傷つけられているのに、それを愛だと勘違いしてしまう。大切な人から傷つけられた経験がある人は、共感できるのではないか。中高レベルの英語で、人間の本質をつくような歌詞を書けるAURORAはすごいと思う。


 最後に、励ましてくれるような歌詞も紹介したい。私が最も好きな曲からだ。


Don't forget who you are even though you are hurt

You are caught in a wire and soon it will burst


あなたが誰であるかを忘れないで たとえあなたが傷ついているとしても

あなたはワイヤーに捕えられている でもすぐにそれは弾けて壊れるでしょう

            (「The River」)


 傷ついて、囚われて、身動きがとれないような人に出して、力を与える歌詞だ。「who you are」(あなたが誰であるか)を思い出させる部分は、日本人にとってははっとさせられるのではないか。我々の自己認識って曖昧なもので、そもそも自信を持てていなかったりする。洋楽のこういう歌詞に触れると、もっと自分の中に軸のようなものを持ちたいな、と思う。後半の、ワイヤーの比喩も、何かに囚われている状態が具体的なイメージとして提示されていて、なかなか秀逸だと思う。


 最後に、いま孤独だったり、寂しかったり、傷ついている人へ。


Stitch your skin onto my skin

And we won't be alone

あなたの肌と私の肌を縫い合わせれば

私たちは一人じゃなくなる

           (「The River」)



※日本語訳が間違っていたら、ご一報ください!

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