るんるんるるんぶ……(草野心平)

  るんるん るるんぶ

  るるんぶ るるん

  つんつん つるんぶ

  つるんぶ つるん


  河童の皿を月すべり。

  じゃぶじゃぶ水をじゃぶつかせ。

  かおだけ出して。

  踊ってる。

       (草野心平「河童と蛙」より)


中学校の教科書に長く採用されている、草野心平「河童と蛙」からの一節。

河童が沼で踊っている様子を描いた詩だが、それはどんな踊りなんだろう。


一つの提案として、音楽的に考えてみたい。幸い、私の父は打楽器をやっている。父に尋ねてみた。

「るんるん るるんぶ るるんぶ るるん」

このリズムは、音楽のジャンルでいったら、何になる?


ここで皆さんにも考えていただきたい。いったいどんな答えが返ってきただろうか?

A ワルツ

B サンバ

C タンゴ

答えは下↓


















答えはBのサンバだ。

父によると、サンバのリズムは、次の通りだ。

「タンタン タタンタ ウタンタ タンタン」

(※「ウ」は休符)

皆さんぜひ口ずさみながら、「タ」のところで手を叩いてみてほしい。

それができたら、手を叩きながら「るんるん るるんぶ……」と言ってみてほしい。慣れてきたらテンポを上げてみよう。さらに頭の中でホイッスルも鳴らしちゃおう!

自然と体がノッてこないだろうか!?


河童のダンスは、けっこう熱い!そして激しい!きっと汗だくだ!!(河童に汗腺があるのかは知らないが。)


はじめ顔だけ出して踊っていた河童は、ついに水の上に立つ!


  立った。立った。水の上。

  河童がいきなりぶるるっとたち。

  天のあたりをねめまわし。

  それから。そのまま。


そしてまた踊り続ける河童。皆さんのご想像の中に、全身で踊る河童の姿が描かれていれば幸いである。



なお、この詩は合唱曲になっている。そちらは少し上品な仕上がりだ。気になる方は聴いてみてほしい。解釈の幅というものが感じとれると思う。

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