第4話
そのうち、入学式の時間が近づいてきた。
一人の中年男性が教室に入ってきた。
「みなさん、ご入学おめでとうございます。私は1年間、この史学Aクラスの担任をすることになりました、吉田雅也(よしだ まさや)です。専門は宗教史。わからないことがあれば、何でも聞いてください」
あたしたちの担任、吉田教授だった。
その後体育館に行き、式典に参加した。
式が終わり、先ほどの教室に戻る途中、クラスごとに記念写真をとるという。
1回生全学科の全クラスをとるので、相当待った。
待っているときは、出席番号順にならんでいた。
このとき、後ろにいた男の子に声かけられた。
「はじめまして!結構待たされてヒマだよなー」
「はじめまして!うん、全クラスって結構多いんだね」
「僕、唐川雫(からかわ しずく)です。よろしく!」
「あ、あたし、亀梨里衣です。こちらこそよろしくね」
あたし、思わず返した。
あたしと唐川くんがしゃべっていると、あたしの前にいた男の子が話に入ってきた。
「なぁ、あんたら兵庫県民なん?」
「うん」
「へぇ。オレ大阪から通いやねん。日本史大好きで、ここ選んで!オレ、上地知也(かみじ ともや)よろしくな!」
聞けば、この上地くん、あたしと同じ沿線に住んでいる。
唐川くんと上地くん、この2人もあたしの大学生活にかけがえのない人になるとはまだ思ってなかった。
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