第2話 りんごの芽

私の住んでいるこの田舎町は様々な農業が盛んに行われている。


田畑を耕しそこで作物を育てる農家も有れば、乳牛を育て酪農をする家も有る。

養鶏場も有れば、蜂蜜等を採りそれを商品化する家も有る。

……もちろん食肉用の……は現実逃避したいので説明は辞めておくとしよう。


街はこんもりとした感じのまるで丘の様になっている大地にある。


でも、私の家が有るのは、その丘を北に下がって外れた場所に有る。


そう、もちろん回りは緑ばっか!


田んぼ や 畑 でい~~っぱい!!


ああ、テレビに映る様な、ステキでオシャレな街に住んでみたいなぁ……。


と、そんな時だった


「コラ!羽芽、ちゃんと仕事に集中しなさい!」


来た、またいつもの小言だ……あぁ、イヤだ、イヤだ、イヤだ。


「ちゃんと聞いてるの!?、ちゃんと剪定しないと良い りんご が育たないんだよ!」


解ってるわよって!💢


当然ながら私は、そのお母さんの余計なひと言が頭に来た。


『こんな炎天下で、か弱いJKの私をコキ使って』


『それに羽芽、羽芽、って煩いのよ💢、それにナニこのキラキラネームっぽい当て字を使って、ウメって。私はお婆さんかっ!!』


ふと、羽芽がそんな憤慨の思いを内心で声高らかに叫んでいたその時。


[パキっ!]


っと、乾いた音、そう折っては成らぬ筈の りんご の枝が折れる音が無慈悲にもそこに響いた。


そして同時に 羽芽 には全身から血の気の引く音も聞こえ来ていた。


脚立の上に立つ 羽芽 はその顔いっぱいに絶望を浮かべながら、


『コレはヤバいな』


とその蒼冷めた顔を隣に居る母、[紗枝]へと怒られる事を確信し、カクカクとギコ値なく振り向けた。


満面の笑みだった


額に浮かぶ青筋の事を気にしなければ……









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