8話 白は踊り、白は狂い、青は嗤う。中編
視点ごちゃ混ぜ。前編後編で終わらすつもりが終わらなそう…
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『
シヲは驚いた。イザナがいきなり魔法を使って猫を攻撃したからだ。しかし、驚いている間もなく猫が一声鳴くだけで攻撃を打ち消す。
『なぁーーん』
猫の声は頭に響いた。シヲにはなんとも無いが、アリアは少し気持ち悪そうにしている。それを横目に見ながら、シヲは攻撃を仕掛けた。
「ふっ!」
『なぁーーん』
踏み込んでから猫に近づき、拳を打ち込もうとしたが、猫は甘いとでも言う様に尻尾で拳を受け流した。が、シヲは更に蹴りを入れようとする。
『
シヲの攻撃に合わせイザナが拘束の魔法を使う。一瞬、猫の動きが止まった。その瞬間にシヲが蹴りを入れた。そしてそこに、アリアの追撃が入る。
「永久の水!」
アリアの周りに渦がいくつもできる。それを腕を振り猫にぶつけようとした。アリアもシヲも、流石に一撃は入るだろうと思う。しかし、
『なぁん。』
無傷。猫は無傷だった。正確には効いていない、だろうか。シヲは気付いていない様だが、蹴りと渦は確かに当たっていた。しかし、効いてないのだ。そこでイザナが声を上げる。
『シヲちゃん!あいつは高位精霊だよ!もっと魔力を込めないと!』
「!、アリア、もっと魔力込める。」
「え?何どう言う事シヲちゃん!?」
アリアは次の手を打とうと集中してたらしく、シヲに声をかけられて驚いている。精霊の討伐方法は、強い魔力を伴った攻撃で精霊の魔力を無くす事だ。高位精霊になると、生半可な魔力を込めた攻撃じゃ通用しないのだ。何故イザナが猫が精霊だと分かったのかは分からないが、とりあえず信じて攻撃するしか無いと、シヲは体に魔力を循環し始めた。
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なに、どういうことぉ〜?
そう聞こうとする前に、理解した。あれは精霊なのだと。シヲちゃんが精霊の魔力を削ろうと立ち回り始めた途端、猫がシヲの攻撃を避けようとし始めたからだ。アリアとて、特級。精霊を討伐した事はあるからすぐに気付いた。
「これは、出し惜しみしてる訳には行かないわねぇ。」
そう呟いたのち、切り札の一つを切る事にした。これならシヲちゃんに見られても問題ないと判断したからだ。どうせいつか気付く物だし、と自分を納得させる。
〝我、一番魔法使。世界へ行使を宣言する。〟
自分の声が自分の声じゃない様に、この場に響く。猫もシヲちゃんも、一瞬こっちを向いたが、シヲちゃんがチャンスとばかりに魔法仕掛ける。あれ?今のシヲちゃんが発動したのかな?まぁ、いい。私は私の仕事を遂行するだけ。
「ウィンちゃん、頼むわよぉ。」
小声で呟いた後、宣言する。
「水霊爆門、顕現!」
アリアの真上に丸く水色の門が出てくる。その門が開いた途端、爆発的な量の水が流れ出て来た。水はアリアとシヲを避け、的確に猫だけを追いかける。アリアの目は、青く光っていた。
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「ここは…?」
アリアの魔法が発動した途端、シヲは意識を失っていた。シヲは、何も無い、白い空間に居た。
「やぁ。まさかこんな早く来るとは思わなかったよ。」
「…貴方は?」
シヲは警戒していた。それもそのはず、気配も何も感じず、気付いたら自分の前方に髪の長い青年がいたからだ。
「え、本当に何も覚えて無いんだぁ。やりすぎだって言ったのに、“ ”」
「痛っ……」
青年が何かを言った途端、頭痛に襲われた。シヲは無理やり体を起こして、聞く。
「名前は、何。」
「僕?僕はワールドインテンション。まぁ、〝 〟がくれた名前なら、
「貴方は、何?」
アスカトラは、少し濁しながら答えた。
「世界の意思さ。」
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シヲちゃんが消えた!?
いきなり体の主導権が渡って来た事で、イザナは驚いて居た。シヲちゃんが消えたのでは無いかと心配になったが、すぐに意識を失っただけだと気付き安堵する。
「害刃!」
魔力で双剣を作る。謎だが、魔法を覚えた時に色々な事ができる様になったからまぁ気にしない。猫に近づき、双剣を振るう。猫はそれを避けるが、そこに更に蹴りをぶち込む。
『弱い、弱いのよ。イザナ。』
猫はそんな事を言いながら蹴りを尻尾でいなした。そしてイザナは今まで我慢していた怒りが等々爆発した。
「カッチーン!!うるさいよ猫!散々煽られて我慢してたけど、流石のイザナちゃんも我慢の限界だよ!?」
実はイザナ、シヲが意識を失う前もずっと猫と喋っていたのだが、その際ずっと煽られていたのだ。そして等々爆発したのである。
今は肉体がありアリアに声を聞かれていると言うのを忘れて。
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昨日はどうもすいませんでした…。作者の甘茶です!気に入ったら♡、⭐︎、フォローお願いします!イザナドシっ子ですね。
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