第5話 訪れる変化

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戦闘終了

召喚術士サモナーのレベルが5上昇した。

スキル〔指揮〕を取得した。

〔指揮〕のレベルが2上昇した。

緑小鬼グリーンゴブリン:ゴーンがスキル〔筋力増加〕を取得した。

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召喚サモン〕のレベルが2上昇した。

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 とりあえず、俺の魔力がなくなるまで繰り返した結果がこちら。

ざっと10回ぐらいやったきがした。

 このことからわかるのは俺の魔力が多いのか、ゴーンの召喚に使う魔力が少ないのかわからないが、効率はものすごくいいということだ。


 そしてゴーンが新たに〔筋力増加〕というスキルを取得した。

このスキルを取得してからあいつに与えるダメージが増えたので、おそらくSTRを増やすパッシブスキルなのだろう。

 今更だが、このゲームはメニューから自分のステータスを確認する方法はない!

しいて言うなら自分のHPを確認できるくらい。

ならばどうやってステータスを確認するのか。それは街で買える鑑定の巻物スクロールとよばれるアイテムを使用するか、あいつも言っていたギルドに置かれている鑑定の宝珠に触れるしかない。

 結構不便なシステムだなぁと思うのは俺だけではなかったらしく、元は鑑定の宝珠だけで巻物スクロールの方はなかったらしいんだけど最近追加されたらしい。


 まぁそれでも不便なことには変わりないけどな!俺みたいに街にいなくて巻物スクロールも買えない人はどうすることもできないというね。ほんと悲しくなる。

 そしてさらに今更だがこのゲームはオンラインゲームである!オフラインではない!こんなランダムしかないゲームがオンラインはもはやギャグだろう。


「まぁ、今更文句を言っても仕方がないか...」

『ん?なにか言ったか?』

「いやなんでもない。〔召喚サモン〕ゴーン。〔格闘〕で攻撃」

『ギヒャヒャ!』


 〔指揮〕のスキルを取得してから召喚が完了する前に命令することもできるようになった。ありがたいっちゃありがたいけど正直現状じゃあんまり使い道はない。

 あと変わったことと言えばあいつがどこを殴ればダメージが良く通るとかをゴーンに教えるようになった。

 それ以来俺が命令しなくてもよくダメージが通る箇所...頭とか首を狙い始めた。

ステータスは変化しないって書いてあったけど戦闘AIは学習するんだなぁと思った出来事だった。


『考え事してるとこ悪いけど終わらせていいか?』

「ん?ああいいよ」

『そんじゃ降参っと』


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戦闘終了

緑小鬼グリーンゴブリン:ゴーンがスキル〔弱点看破〕を取得した。

緑小鬼グリーンゴブリン:ゴーンが種族変化可能です。

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「お?」

『ん?どうした?』

「どうやらゴーンが種族変化できるみたいだ」

『早いな。さすが進化と変化が起きやすい種族ナンバーワン』

「ただこれって...変化させた場合って進化先とか変わるかな?」

『そりゃ変わるだろう。緑小鬼グリーンゴブリンのままにして進化を狙うのもありだが...まぁそこらへんはバーダスが決めることだ』

「んー...」


 さてどうしようか。

まぁとりあえず変化先の一覧見てみようか。


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選択可能な変化先一覧

緑小鬼格闘家グリーンゴブリンファイター

緑小鬼蹴術家グリーンゴブリンストライカー

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 今でてるのはこの二つ。

詳細も見てみるか。


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緑小鬼格闘家グリーンゴブリンファイター


 緑小鬼グリーンゴブリン格闘家ファイターの職業に就いた種族。

普通の緑小鬼グリーンゴブリンよりも近接戦闘並びに格闘戦闘に特化した種族。

 攻撃力が高く、狂暴だが、魔法防御が普通の緑小鬼グリーンゴブリンよりも減少している。

 〔格闘〕スキルを取得していれば変化可能。

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緑小鬼蹴術家グリーンゴブリンストライカー

 緑小鬼グリーンゴブリン蹴術家ストライカーの職業に就いた種族。

普通の緑小鬼グリーンゴブリンよりも近接戦闘並びに足を使った格闘戦闘に特化した種族。

 緑小鬼格闘家グリーンゴブリンファイターより蹴術に特化したため、攻撃力と敏捷性は上昇しているが、それ以外のステータスは劣っている。

 〔格闘〕のスキルを取得していれば変化が可能だが、その場合〔格闘〕スキルが〔蹴術〕スキルに変化する。

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 比べてみた感じ、どっちも魔法には弱くなるかな?あとは蹴術家ストライカーは足の攻撃に特化してるから対応力は劣るかなぁ...さてどうしようか。


「なぁなぁ、あんたはどっちは種族変化させるならどっちがいいと思う?」

『まずどういう変化をするのかを教えてくれよ』

緑小鬼格闘家グリーンゴブリンファイター緑小鬼蹴術家グリーンゴブリンストライカーの二つだね」

『ふむ...その二つなら緑小鬼グリーンゴブリンのままでも問題ないと思うがな』

「そうなの?」

『ああ。そのふたつは確かに近接戦闘では緑小鬼グリーンゴブリンの中でなら強力な分類だろう。だが、あくまでもその中でならだ。魔法でも使われたら速攻で倒されるだろう』

「あーなるほど。確かにどっちにしろ魔法には弱くなるのか。じゃあ今しなくてもいいのか」

『ああ。まぁ、あくまでも決めるのはバーダスだ』

「うーん...どうしようか」


 さて、あいつからも話を聞いてみた感じ、そのままでも問題なさそうだが...よし、ダイス振るか。


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1d3→3(緑小鬼蹴術家グリーンゴブリンストライカー

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 さて、ダイス振った結果、緑小鬼蹴術家グリーンゴブリンストライカーになったな。まぁ魔法にめっちゃ弱くなったけど...まぁ何とかなるでしょ。


「とりあえず、ダイス振った結果、緑小鬼蹴術家グリーンゴブリンストライカーに決まったよ」

『そうか...まぁ、その結果に満足しているならいいんじゃないか?それに...その種族なら運が良ければここの看守にも勝てるだろう』

「そうなの?それならこれにしてよかったかも」


 そんなことを言いながら、メニューを操作して、ゴーンを種族変化させる。


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緑小鬼グリーンゴブリン:ゴーンを緑小鬼蹴術家グリーンゴブリンストライカーに種族変化させます。

カードを取り出してお待ちください。

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 言われたとおりにゴーンのカードを取り出してみると、ひとりでに手から離れて地面近くに浮かんだ。


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召喚サモン〕を使用してください。

召喚する対象は種族変化先を指定してください。

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「さて...〔召喚サモン緑小鬼蹴術家グリーンゴブリンストライカー


 スキルを使用すると普段より多い量の魔力が体から抜けていき、地面に五芒星の魔法陣が描かれ、カードと魔力が溶け合って魔法陣に吸収されていった。


 完全に吸収し終わると、魔法陣からいつもより筋肉質で足が発達している緑小鬼グリーンゴブリンがあらわれた。足が発達しているからか身長も5cmほど伸びているようだ。


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緑小鬼グリーンゴブリン:ゴーンは緑小鬼蹴術家グリーンゴブリンストライカーに種族変化した。

種族変化に伴い〔格闘〕スキルが〔蹴術〕スキルに変化した。

職業に就いたことにより職業の固有スキル〔敏捷増加〕を取得した。

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「成長したなぁゴーン」

『ギャヒャ!』

蹴術家ストライカーの職業についているはずだから新しいスキルも色々増えているだろう。確認しとくんだな』

「もちろんだ」


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〔蹴術〕

 〔格闘〕スキルが変化し足技へ特化したスキル。

〔格闘〕スキルのレベルやアーツは引き継がれない。

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「ん?なぁなぁ、アーツってなんだ?」

『アーツってのはスキルのレベルが一定まで到達すると取得するものだな。バーダスが持っているのだと〔召喚サモン〕のスキルレベルが10になれば[同時召喚]のアーツを取得するはずだ』

「はぇー。けど10ってだいぶ先だなぁ」

『普通ならその辺の魔物モンスター相手にレベル上げしたりするからな』

「俺は普通じゃないと」

『少なくともここは普通の環境ではない』

「...それもそうか」


 さて、さっきの説明じゃあ召喚された魔物モンスターだとスキルレベルが無いからアーツが使えない。そうなると普通の魔物モンスターより弱くなってしまう気がするが...まぁなんとかする方法があるんだろうな。


「さて、じゃあ種族変化も終わったし...一回行ってみるか」

『お、いいんじゃないか?まぁ無理だった場合は...まぁ頑張れ』

「適当だなぁ...まあいいや。ここまで付き合ってくれてありがとうな」

『気にすんな。時間をつぶせるくらいにはおもしろかったさ』

「あんたはどうするんだ?」

『まぁバーダスが出れたら俺も出ようかな』

「あーじゃあまた会えたら名前教えてくれよ」

『ん?今じゃなくていいのか?』

「今更じゃない?だったら次あったときの方が俺はいいな」

『まぁそういうならそうするか』

「じゃ、行ってくるわ」

『おう。がんばってこい』


 そのような会話をして牢屋の扉を開ける。

さて...現在のレベルは9。対してこの【獄牢】の平均レベルは35。

あまりにも絶望的だが...まぁやるしかない。

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