第18話

ねえ。わたしも、変わらずにいる。


そんな不確かな約束さえ交わせるほど、きみのこと、大好きなんだ。



それを、きみの希望にして。



「…それでも約束はできない」


「どうして?」


「俺は大人になりたくないから」


「っ、嘘ばっか!なんで、なんで、そう諦めるの!…諦めないでよ。何よりも命を一番大事に思わないといけないってこと、小旗くんは知ってるのに!」



なりたくないんじゃない。なれないって思ってる。



そんなの間違ってる。



命をいたわることができるきみにわたしは惚れたんだよ。きみの運命が、わたしに恋をさせてくれた。だからそういう自分を、きみにも大事にしてほしい。



「結実、」


「わたしが溺れた時、小旗くん、話したことなかったのに先生よりも先に助けてくれた。きみが手を伸ばしてくれたおかげで死なずにすんだ。飼育委員がんばってるの見て、来年は絶対わたしもやろうって思った。不審者の殺人事件の話が噂になった時はすごく悲しそうにしてた。共食いは、生きるために必要なことだって思ってる。…誰の命も大切にする人なんだって、好きになったの」



「なんで、わかんの」


「きみの家族より、小旗くんを好きな自信があるもん…!」


「ふっ。それは無理」



う。さすがに却下された。

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