接触

翌日

大量の宇宙船がワープ線という星と星を結ぶ高速道路のようなものを通り、太陽系へ向かった。宇宙船が太陽系に着くと、近くには地球が見えた。大量の宇宙船は地球の大気圏に突入した。宇宙連合の事務総長が乗った宇宙船が先に地上に降りることになり、事務総長が乗った宇宙船はホワイトハウスの前に着陸した。着陸した宇宙船の巨大な扉が開き、そこから事務総長と宇宙連合の幹部、そして警備隊が降りた。しかし、事務総長が降りた先にはアメリカの軍が銃を向けて集まっていた。

「地球人は野蛮だな。」

事務総長はそう言いながら歩いた。だが、アメリカ軍は進ませるかと言わんばかりに銃を向けて事務総長が進む先を邪魔してきた。事務総長は翻訳をしてくれるマイクを持ってこう言った。

「この国のトップに会いたい。」

事務総長はそう言ったが、アメリカ軍は変わらず銃を向けたままだった。すると、アメリカの大統領がホワイトハウスからやってきた。そして、こう言った。

「お前たちは誰だ?」

「私は宇宙連合の事務総長だ。この国の大統領と話がしたい。あなたがこの国の大統領か?」

「…そうだ。」

「なら、私と話をしてくれ。」

大統領は戸惑ったが、落ち着いてこう言った。

「分かった、話をしよう。」

大統領がそう言うと、アメリカ軍は銃を降ろした。

翌日

「速報です。先ほど、アメリカのジェームズ・ブラウン大統領が記者会見を始めると発表しました。」

街中にある屋外ビジョンにそうニュースが流れている。

「詳しい情報は明かされていませんが、これから始まる記者会見で詳しい情報が明かされるようです。」

屋外ビジョンに映る映像は、ニュースキャスターからホワイトハウスの記者会見室の演台に立っているブラウン大統領の映像に変わった。記者会見室には世界中のメディアが集まっており、カメラのフラッシュの中ブラウン大統領の顔は緊張しているが、何か決心しているような顔だった。ブラウン大統領は静かに深呼吸をし、ゆっくりと口をマイクに近づけた。

「アメリカ国民の皆さん、そして世界の皆さん。今日、私は歴史に残る重大な発表を行います。」

ブラウン大統領がそう言うと、記者会見室がざわつき、記者たちは一斉にメモを取った。

「昨日、我々は地球外文明と接触しました。」

その瞬間、記者会見室は爆発したかのようにどよめいた。何人かの記者は思わず立ち上がり、興奮した表情を浮かべていた。

「彼らは自らを宇宙連合と名乗り、宇宙の多くの文明が加盟する宇宙全体の秩序を守る組織だと説明しました。彼らの目的は、地球との友好的な関係を築くこと、そして我々が宇宙社会に参加するための道を示すことです。」

ブラウン大統領は言葉を選んで慎重に続けた。

「私は宇宙連合の代表である事務総長と直接会談し、彼らの意図を確認しました。彼らは武力ではなく、対話と協力を求めています。」

記者会見室は言葉に出来ないほどの緊張感に包まれた。

「この会談の詳細については、今後政府として慎重に検討し、国民の皆さんに随時お伝えしていくつもりです。」

一人の記者が大統領な発言の余韻を切るように鋭い声で問いかけた。

「宇宙連合は地球に対して具体的に何を求めているのでしょうか?」

「宇宙連合は地球が宇宙社会の一員になることを望んでいます。彼らは我々に対し理解を求めています。」

「他国の反応は?」

「現在、同盟国をはじめとする世界各国と情報を共有し、対応を協議しています。」

記者会見室はとても張り詰めていた。そこにいた誰もが、この瞬間が歴史の転換点になることを知っていたからだ。

「最後に、私はこの国のすべての人々に呼びかけます。これは人類全体の問題であり、1つの国だけで決めるべきことではないのです。我々は共に考え、共に未来を切り開くべきなのです。」

大統領の言葉が終わるとニュースの映像は記者会見室からスタジオに戻った。あまりの記者会見の内容にニュースキャスターは唖然としていた。唖然としているのはニュースキャスターだけではなく、世界中の人々もだった。

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