母子

第5話

霧が降る…


こんな日は時間が少し、ゆっくり流れる。



「マァマっ!これ、これアカテ。」


ねだられて母親は、膝の上で卵ボーロの袋を開ける。


まだ日本語に成り切れない幼児の語り口。

そのぎこちなさに癒される、待合室のソファのひととき。

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