第6話 放課後
学校が終わり、輝人は駅へ向かう道を歩きながらスマホを取り出した。華乃とのやり取りが、今日もどこか心の支えになっている気がする。
「華乃、今どこ?」
そうLINEを送ると、すぐに既読がついた。
「今帰ってるとこだよ。輝人は?」
「俺も駅に向かってる。今日も疲れたな~。」
「お疲れさま。頑張ったね!」
華乃からの返事には、絵文字と一緒に、いつも通りの優しい言葉が添えられていた。
「華乃こそお疲れ。授業どうだった?」
輝人は自然と続けて聞いた。
「今日は数学の小テストがあったんだけど……散々だった~。」
苦笑いするようなスタンプが送られてくる。
「そうなのか。でも大丈夫だよ、次はもっと良くなるって!」
「ありがとう。でも、輝人って本当に優しいよね。なんか話してるとほっとする。」
その言葉に、輝人は思わずスマホを握る手に力が入った。華乃からそんなふうに言われると、いつも以上に嬉しい。
「それ、俺も同じだよ。華乃と話してると癒される。」
一度送信ボタンを押してしまうと、急に恥ずかしくなった。これを読んだ華乃がどんな反応をするのか気になり、画面をじっと見つめる。
少しして、華乃から返信が来た。
「そう思ってくれるなら嬉しいな。じゃあ、もっといっぱい話そうね。」
「もちろん。」
華乃の言葉に、輝人は自然と笑みを浮かべた。これからもたくさん話して、もっとお互いのことを知っていける――そんなことを考えるだけで、胸が高鳴る。
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