第26話 経験値大事。黒柴わんこ覚えた(試行錯誤回)。

 

 

 結論。なんちゃって合成音声フランケンボイスは使えるけど使えん。


 薄々お分かり頂けてるとは思うが、使う事自体は普通に出来る(俺の内部保有ラハ量的に)。ただ誰かの声を使う以上余計なトラブルになりかねんし、現状カタコトのドワーフ語? しか対応していない。


 これならいっその事『念話を取得』か『喋れる形態に進化』して『万能言語を生やす』ほうがまだ現実的……この世界にポケ◯ンみたいな進化の概念があるのか分からんが。


 とりあえず消去法で念話取得ですなぁ。今も鑑定の試行と通信傍受でっかいお耳は絶賛裏方仕事中でおま(す)。


 生きとし生けるものの声なき声を聞きまくれば、ワンチャン念話と万能言語の両方獲りを狙えるやも知れんし。経験値大事。黒柴わんこ覚えた。



 さてはて。それ相応のラハを消費するとはいえ、生成したデータをして外部へ吐き出せるというのは色々と応用が効く。例えば、


「ノッ!」「エルッ!」「ギャ!」「ラッ!」「ガー!」


「リッ!」「アムッ!」「ギャ!」「ラッ!」「ガー!」


 単純に合成音声フランケンボイスの音圧を致命的にまで上げて出力してみました(※オッサン声を使用)。俺のロックを聴きやがれ。欠点は自分も破壊的な音波にやられる可能性大。但し、指向性を上げれば使えなくもない。


 え、攻撃に使うなら巨人の声のほうが断然良いだろって? ノンノン、ムッシュ。あんなヴァーヴァーしか喋らん声じゃあ、ワ◯ャン◯ンド再現出来ませんや~ん(やっぱり遊んでる)。


 テストだから単音でやりましたけど、カギカッコを増やして3重とか5重の厚盛り多重爆音にも出来まっせ。マジで耳か脳が死ぬから耳栓必須な。ライブハウスでのお約束だゾ!(ちなみにラハの消費も倍々ゲームです)


 お次は将来への布石として、こんなん出ました~。


「ンベ~~~~~~ッ」


 口を開いて、でろ~んとレシートみたいに出てくる薄茶色の細長~い紙…異次元ポンポンインベントリから出口を俺の口へと設定して、ゆっくり押し出すように排出しております。それっぽい効果音も同時出力だぜ。


 これは収納してある雑草の中から利用価値の低い部位(香辛料もどきとしては使えない部分とか)を分解し、細かい繊維状にした上で紙漉きのイメージで成形したもの。



 決してしなやかでは無いし、無漂白のコーヒーフィルターみたいな薄茶色でまだ不均一な厚さと色ムラの残る紙もどきは、原材料が雑草なだけに手触りもゴワゴワだ。

 

 

 

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る