第25話 カラクリと言う程の手間は無い(但しコストゼロでもない)。

 

 

『アアアアア、シシュンキニ、ヌスンダラジオヲ、ウリトバス~』


 少年から悪い事してんなぁ。時代かな?(※当時の時代背景を参考に制作されていると思われますが、多少の誇張を含むと思われます)


 おっす、オイラ黒柴わんこだぞ。趣味が古臭いのは昔の作品を片っ端から雑食してたからだな。歌はいいね。


 さて脱線も程々に。上のは俺がシャベッタアァ! したんではなくて、小人こびとさんの録音データを分解してツギハギしながら作ったなんちゃって合成音声、名付けて『フランケンボイス』だ。精度なんて期待しちゃいけませんぜ。なんせ新聞の文字で作った犯行予告みたいなバラバラ殺人音声(?)ですから。


 犬から凛々しい女性声のカタコトなドワーフ語? が聞こえたらそら怖いでしょうよ。だもんでにはまだ出力しておりません。


 異次元ポンポンインベントリ内で作業して再生するだけならばタダ(消費ラハ0)だから、いくらでも喋れるんですがね。いざ外に流そうとすると――


『データを外部へ出力しますか?:この作業の実行には300ラハを使用します。』


 オーケー相棒、出しちゃいなyo!


「ニンゲンナンテ、ラララム◯ンクン、ラララム◯ンクン、ララララ」


 内容は気にしないで、ただの羅列だから。気にし過ぎるといろんな方面から怒ら(文章はここで途切れている)。


『マア、コンナフウニシャベルコトハ、デキルッチャデキル、ケドモメッチャフシゼンダシ、ラハノムダヅカイデスカラ~! ザンネン!』


 仮に今のを外部出力すると600ラハ。つまり1文字10ラハ。あんな下らん文章聞かせるんだったらライダンぶっ放したほうが敵も倒せるし、よっぽど有意義まである。それぐらいの消費なんだなコレが。


 考察するに、これは自分で喋ってるのでは無くてスピーカーから音声を流してるようなもの(実際そういう風に聞こえる)。言わば喋れないヤツがズルしてるのと同じ。



 本来持っている能力外の『お喋りズル』なので、それ相応のコスト=割り増しラハを支払いなさい、というお上セカイからのお達しなんだろう。よく出来た辻褄合わせ……ああいや、素直に従いますとも。ええ。

 

 

 

 

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