2-4 ハロー、初異世界さんコンニチハ?

第17話 誰かの声を聴けぃ!(ぶっちゃけ他力本願)。

 

 

 もういい加減ボッチで独歩どっぽしてても埒が明かないんで、もう少しアグレッシブな手段を開発する事にしよう。その名も――


『わおぉーん! (誰かの声を聴けぃ!)』


 変なのを呼び寄せるとイヤなんで、決めゼリフとは言えど小声の遠吠えである。


 その手とは、羽毛付き翼竜ミレモノス襲撃イベ(片手間クリア)の前に思い至っていた念話関連。受け取り手の俺(黒柴わんこ[※推定モンスター])が理解出来る出来ない以前に、まずは送受信の練習に『なんか思念や意志的なモノが飛んでたら手当たり次第に傍受してみる』というもの。


 万が一文化レベルが高めだった場合を想定して、各種電波も含めて『きゃっち・ざ・うぇーぶ』してみよう。


 具体的にどうという手立ては無い。いつものエーアイが勝手にやりたい事を補正してくれると、ただひたすらに試行しまくるのみ。


 3秒に1回視界内の何かに鑑定を試行する自動化ループと同様に裏側作業バックグラウンドリストに追加しておく。こっちは受動的なので、耳をでっかくしておくイメージでよろしかろう。



 時折目視でなんか無いかを確かめつつ、仮想マップの探査範囲を広めに取って早足で進む。言い忘れてましたが、紫電を薄っすらと纏わせて電光石火のように超速で駆け抜ける『瞬雷しゅんらい』という最高速モードも半日ぐらいなら連続で使えるが、ゴリゴリと体内の謎エネルギー残量が削れて万が一の事態に対処しづらいのと、今は俺自身の基礎体力を増強する段階フェイズだろうとのままでいる事にしている。


 ここで皆さんが思われる早足って、『トテトテトテ』より早い『パタパタパタパタ』ぐらいだとお思いだろう。ところがどっこい、黒柴わんこな俺は地力が違うらしく、早足なのに『シュババババッ』という効果音でも出そうなスピードで景色が流れてしまうのだ。


 これでどこまでも行けるし全く疲れもしない。もうどんだけ~にも程がある。異世界わんこは謎スペック(シュババ継続中)。


 う~きゃんゆーひーみっ、きゃんゆひーまいれーでぃお!


「くぅ~んっ!」


 ジャンジャラジャラジャラと頭の中でギターが流れてますが、色々とセンシティブだから表には出せないよ! 世知辛いね。



 勝手にテーマソングを流して気分は旅するヒロイン……みたいに恋はしてないが。人よ来い来いしてるのは一緒だから、まあいいじゃない。

 

 

 

 

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