第16話 テンションだだ下がり、のちに不安定(それでもわんこの腹は減る)。

 

 

 ……なんか知らんに誰かから届いたプレゼントだと思ってパンドラの箱を開けちまった気分だわ。まだまだ推測まみれの未確定事項ばっかりだってのに。


 こんな時は肉じゃ肉! 新鮮なおーにく~♪ ……どこの肉コーナーで聞いたんだろうなこの曲。今となっちゃもうサッパリである。


 どのタイミングでどの在庫を喰おうが新鮮そのものな現地直送品(?)なので、ランダムで羽毛付き翼竜ミレモノスの塊肉を出した。おふざけでルーレット的な演出もそれっぽいものに仕上がっております(パチ◯ロ方面じゃないほう)。


 黒柴わんこな俺だが量はアホみたいに喰える。逆に数日ぐらいなら飲まず喰わずでも平気な辺り、どんな構造をしてんだか。空気中の霞ならぬ謎エネルギーを取り込んで貯めておけるから、そこから活動に必要なモノへと変えてんでしょう。知らんけど。


 素材そのものをこんがりと焼き上げて召し上がり。人では無いんで生でも平気だろうが、気分の問題です。


「はぐはぐはぐはぐ……」


 味はサッパリとした赤身肉。飛んでて羽毛もあるけど竜ってついてるだけにワイルドだねぇ。毎日喰っても喰い飽きない、牛丼みたいなヤツである。


 ここはまだ草原地帯だから微々たるものの、地中からは塩(条件が良ければ岩塩)も採れる。当然将来を見越して大量の海塩も確保済み。一部香辛料もどきな植物も多少ながら生えていた。


 ただ説明文だけじゃ適切な使い方が分からんのよ。運営さん、我は全世界対応版ワールドワイドなレシピサイトを所望する。


 まあそもそも俺、今は手が使えないから料理出来ませんけどね! ……あくまでも将来への布石、備えあれば嬉しいなってヤツですよ(違う)。


 そっち方面で足りてないのは甘味かんみだな。糖類を含んだ草はあったし、ガシガシすりゃあそこはかとなく甘いっちゃ甘い。ただコレじゃねぇ…感は拭えん。


 明確に甘い! ジューシィ! たっぷり! ってのが欲しい。つまりは桃とかマンゴーとかでっかいイチゴとか。ああいうのが。


 ちょびちょびとラズベリーとか、ブルーベリー系をプチプチ喰ってもね、満足感は得られませんのよ。本当に小さいのしか無い。



 そのへん求めんならもっと木が生えてる方面へ行かないと。いやいやその前にマトモな人と文明! 求む!(切実に)

 

 

 

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る