第14話 文明の利器舐めんなよ?(めっちゃズルだけど)

 

 

「ギィヤアァア!!! ……ギェッ!?」


 ドッ! …ズシャーーーーーーッ!!!


 哀れ、脳天を貫通ライダンで撃ち抜かれた羽毛付きの翼竜トリさんは落下する勢いのままに草原へと叩き付けられて一瞬バウンドし、もんどり打って黒柴わんこな俺の左斜め後方へと華麗にお滑りになられましたとさ。完。


『ミレモノス:羽毛の生えた翼竜。竜とは付くが名ばかりの最下位種であり、平原に住む小型や中型の獣などを主に餌とする。攻撃時には空中から急降下して威嚇の咆哮を浴びせ、身の竦んだ瞬間を狙う傾向にある』


 これは既に収納リストに入ってるやつの情報。つまりはビビって動けなくなるような弱っちいのを狙う輩って事だ。単なるザコである。それより上位種ってあのドラゴンって言われてるヤツですかい? おお怖ぁ。


 俺の仮想マップは自動で敵探査をしてリアルタイムで位置を表示出来るが、感覚的に立体で捉えられるようになっている。なんかこう右上の辺りにピリピリと圧があるな~、みたいな。


 サクッと対象指定してゼロ距離で撃っても良いけれど精密射撃能力の向上を兼ねて、絶えず動き続ける目標(脳天ド真ん中)へ向けてちゃんと照準を合わせましたよ。考え事しながら片手間でチラ見だったけど。


 サイズはまあまあデカい。頑張ったら人が乗れるかも? ぐらい。流石に上に乗せて飛べはしないだろうが、鉤爪でひっ掴んで叩き付けるぐらいはやりそう。


 犬っころな俺は良さげな感じサイズなのか、何度も襲われたんで逐一返り討ちにしてやっている。最初は肉が喰いたかったから貫通弾で、近接信管(目標直前で爆発)や遅延信管(目標突入後に内部爆発)の試し撃ちにも大活躍ですよコイツラは。


 素材が売れるかもと異次元ポンポンインベントリ内で分解を試したら説明を見る限りはレア度が低そうだったので、肉全部と一部の素材をちょろっとだけ残して後は処分処分♪ している。いや~見事に燃えたね(物理的に)。



 しかしもう電気って便利ですよ本当に。良い具合に調理も出来れば、温め・冷やし・凍らせも可能。更には超高温で燃やせる(溶かせる)し、竜巻は起こせるし、何だったら水も出せる。俺は使わないけど照明だってお手のもんですぜ。

 

 

 

 

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