2-3 なんかわちゃわちゃして、ごちゃごちゃになる(語彙力↓)。

第13話 来たれ新天地。全く見えんぞ……

 

 

 さて皆さん、ちょいと聞いておくれよ俺の話を。今のところ特に変化が無いんでヒマなんですよ。


 あの海辺の崖から内陸側だと思われる方向へ移動すること数日。延々と続く草原に所々木立が生えてて鳥が鳴いてたり、ちょいとした丘を越えたりするとようやくダムピー(旧名:ゴムボールスライム(仮))の群れにも遭わなくなっていった。


 やはりあの場所はヤツらの密集地帯で他の生物が寄り付かない地域だったのだろう。単体だったら良くても集団ではちとツラい。まるでゴブリンみたいである。


 あれから移動の最中にも見た事の無いモノは異次元ポンポンインベントリに突っ込んで有用か調べたり、攻撃してくるヤツにはご退場願って収集、そうでないのは片っ端から『鑑定! 鑑定! なんでも鑑定だ◯!』と情報を見られないか試している。


 今まで収納して詳細を見た件数が数百、鑑定の試行回数は現時点で11万683回。未だ鑑定は叶わず。今度は百万とか言われても今更驚かんわい。


 やっぱり取り込んでチマチマ調べるより、そこら辺を見てお宝が分かったほうが便利だわな。ハイ鑑定! …失敗。


 もう自力でやってたらキリが無いんで、3秒に1回視界内の何かに鑑定してみるという自動化ループ処理を1日12時間分やっております。これ以上やると頭痛くなるのよ。


 この世界が1日何時間か? それは知らん。1秒の基準も1時間は60分って区切り方も地球のやつです。そんなにズレてないから近いって事にしといて下さい。自分が分かりやすけりゃ良いんです。


 そもそも黒柴わんこである今の俺は喋れない。『わん!』とか『わふっ?』みたいにしか声が出せないんだよ。


 だから人類的存在に出逢えたとしてもコミュニケーションが……あ。


 そうだよ忘れてた、念話ってのがあったな。この世界の情報を限定的にでも取得出来てるんだから、知性のある存在へ向けて直接のやり取りも不可能では無いはず。


 ただそれぞれの言語系が違うとただのノイズが届いたりするだけになるな。でも仮想マップや収納リストの情報はで書いてある。何処かで翻訳されて――


「ギィヤアァア!!! ……ギェッ!?」



 うっさいよ羽毛付き翼竜ミレモノス君。罰として脳天直撃ライダンでフィニッシュね。

 

 

 

 

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