第12話 人ではないと地味に困る事3(異世界通信に料金プランってありますか?)。

 

 

 自分で言うのも何だが、ストーリーもののRPGをやる時は街中を隅々まで歩き回って住人と会話し、その辺のゴミ箱から鳥とか猫にまでちょっかいを掛けて反応が無いかを確かめるようなメンドクサイ奴だった。


 プレイスタイルは一期一会。マルチエンディングだろうが俺の進んだ初回ルートがその世界での真実であり、それ以外に正解は存在しないのだ。


 万が一何かを見落としていたとしてもよっぽどバッドエンドを踏み抜かない限りはやり直しはしない。失敗も含めての俺だけの物語なんだから。


 ……まあ良いように言ってみたが単純に何周もやり直すのが性に合わないだけだったりもする。


 だから一度きりを成功させる為には延々とフィールドをぐるぐるしたりする行為にも躊躇いが無い。ワザワザ何回も『NEW GAMEはじめから』を押したくないんでね。我ながら超矛盾思考だわ~。



 はい、暇潰しの回想終了です。最早作業と化しているゴムボールスライム(仮)共の駆逐&収集と並行して崖下の様々な海の幸も回収していっております。ここを離れたらもう同じのを喰えるか分からんし。


 この世界の情報(あのゴムボールの正式名)を取得すべく始めた異次元ポンポンインベントリオンライン化計画。


 もう情報閲覧申請がどこかしらに届いてるかも分からんのに、とにかく送信リクエストボタンをポチッとな! とやり続ける事16万1646回。


 色々知ろう……能力を取得したいヤツへのしょうもない嫌がらせにしか思えん。俺みたいな『外様とざま』向けの特殊仕様だったら泣ける。


 向こうが根負けしたのか単なる練度の問題なのかはさておき、ようやっと繋がりましたよ。もう何日経ったとかはうっかり忘れました。ルーチンワークしだすと時間感覚無くなりません?(知らんがな)


 それで接続成功の反応があったんで嬉々として収納リストを覗いたらですね。あのゴムボールスライム(仮)ったら、


『ダムピー:高速で跳ね回って突進し攻撃する軟体生物。攻撃力に特化した結果体内構造が単純化し同系統の軟体生物よりも思考力が落ち、攻撃性が増している。自己より明らかな強敵の存在にも見境なく向かう為、群体の自滅を招きやすい。別名は特攻スライ』


 なんですってよ。名前が跳ねる音と鳴き声を足しただけ。衝撃に強くなりたくてアホになってんのがなんとも。そりゃ仲間がやられまくってんのにこっちへ向かって来るわな。


 この後暫くは収納リスト内の物の情報を頭に入れたり、崖上の草花から有用な種類を集めたりして過ごし、ようやく俺は文明の気配を求めてこの海辺の崖を旅立ったのだった。



 あ、そう言えばノミやダニっぽい寄生虫や体毛の汚れは定期的に紫電をバリバリと体全体に纏わせて焼き切り綺麗サッパリ清潔なのであります(普通のわんこだと多分真っ黒焦げになるレベル)。

 

 

 

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る