第9話 お前ら鳴き声出せるんかい(語るべきなのはそこじゃない)。

 

 

 10日掛けて準備を整え、いざ再び崖の上で20体ぐらいのゴムボールスライム(仮)共といざ再戦。……する前に8割方が綺麗に爆散。機械のエラー音みたいな鳴き声(多分)であった。


 やはり加熱ムラが発生したか。参考元オリジナルの微妙な所までも忠実に再現してしまったらしい。


 アイツら何故か集結してちょいとを開けてから襲い掛かって来るんで、スライム(仮)御一行様の範囲内を業務用電子レンジの庫内に見立てて瞬間加熱してやりましたよ。大体3000ワットぐらいのイメージで。


 ちょい固めとはいえ水分が多そうなスライムボディ、ワケの分からん内にアッツアツにされてパニクってる所にトドメの雷撃。


 恐らく加熱されてパンパンに張ってるであろう状態で外部から衝撃を与えられたらどうなるか? まあ耐え切れずに破裂しますわな。ゆで卵がバーン! ってな感じで。


 後は残り数体となった生き残り共をチクチクと攻撃していく。


 ある程度弱ってるだろうし雷撃追加でもいいけれど、全部破裂させたら俺の喰うモンが無くなってしまう(別に進んで喰いたい訳ではないが)。


 そこで登場しますのがコチラ、『ライダン』だ。……はいそこ、レイガ◯ってツッコまない。ああいうの言ってみたいんだよ俺だって。


 さっきの電磁砲レールガンは金属の発射体を持ち運べないから無理とは言ったが、ならばその場で生み出せばいいじゃないと某淑女な御方がお紅茶を嗜みながら仰る訳ですよ。


 俺は現時点では錬成だか錬金なんてのは出来ないし、雷撃は発動地点から広範囲に撒き散らす扇状或いは範囲指定タイプだ。


 でもねアナタ、界隈にはファイヤーボールというものが御座いましてね。それの雷版も当然ながらあるんですのよ、おほほ。


 そのサンダーボール? は雷の球を飛ばすもの。球形のものが飛ばせるんだったら銃弾型にもなるんじゃねーのと。


 ……フォンッ、フォンッ、フォンッ。


「ぴぎょっ?!」「ぴぎぅっ……」「ぴごぉ…っ!」


 元が雷系(電気)なのもあって紫色に発光はしてしまうものの、魔法的な弾丸生成と発射手順に加えて仮想銃身バレルによる電磁加速ゾーンを設けてアホみたいな初速を実現している。


 さしもの跳ねる奇怪生物ゴムボールも視認すら出来ずに撃ち抜かれまくりです。この弾体は貫通型で、標的に接触すると弾体表面にプラズマのような層を発生させて高速回転、ドリルのように抉りながら穴を開けて突き進む。


 今回込めたエネルギー量だと肉塊みたいなものなら1mぐらい通過すれば消滅する。設定次第では近接信管(目標直前で爆発)や遅延信管(目標突入後に内部爆発)付きにも変更可能だ。


 こいつの欠点は弾体が光るので夜間時には射手の位置が割れてしまうというものがあるんだが。


 ……パスッ、パスッ。


「ぴっ!?」「ぎぎ…っ」



 そういう時は対象を指定してで撃ってやれば良い。ほら、雷を相手に落とす要領でやれば簡単でしょう?(ニッコリ)

 

 

 

 

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