「ねぇ、話きいてくれない?」


「…。」


え?何、また無視ですか?


そうなんですかっ!?


「ねぇ、きいてんの?」


「…。」


「ちょっと!!」


「…。」


「いい加減に…「あーもー!うるせぇ!」


あー、と大きな声をだしてあたしの声をさえぎった孝。


「雑誌に集中できねぇんだよ!」


「…エロ雑誌のくせに」


「あ゛ぁ?」


あたしの言葉に何故かたちあがった孝はあたしを睨む。


だって、話をきいてくれないんだもん!


「男なら誰でももってるもんだろ!?」


孝は照れる様子もなくすごいことをサラリと言った。


え、ホントですか?

そうなの?


「…いっとくけど俺はもってない。」


唖然とするあたしの耳にそれを否定する声がはいってきた。


それは携帯をいじっていたはずの來の声だった。


今は携帯をとじて顔をあげている。


「は?何いってんだよ、所持品だろ?」


「それは孝だけだろ?」

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