第3話
「でさぁ~、あのとき…」
「はい、あはは…」
隣でぺチャクチャしゃべっている男にあたしは適当に相づちしていた。
もちろん、話なんてまったくきいていない。
カラオケに入ってから、それぞれ自己紹介をした。
モカちゃんの彼氏の金髪からはじまって。
皆、それなりにチャラかったけど…モカちゃんのいうとおり顔は皆よかった。
でも、哉斗たちのレベルと くらべちゃうと……あれだけど。
ちなみにあたしの隣でしゃべっているのは茶髪の男。
名前は……忘れた。
あたしの頭の中には來のことしかなかったから。
來のことが頭の中をぐるぐるとまわる。
仮に、來が無理やり誘われて合コンにきたとして。
女にべたべた触られている來…を想像すると、嫌だ。
はやく帰りたいな…。
「ねぇねぇ!王様ゲームしようよ!」
突然、モカちゃんが立ちあがって声をあげた。
すると、皆は「いいねぇ」とか「やろーぜ」とか。
盛り上がり始めた。
あたしは……もう、げっそり。
王様ゲーム…なんてベタなの……。
「じゃー、この棒ひいてねぇ~」
サユちゃんは棒を持って皆のところをまわりはじんめた。
あたしは参加拒否しよう…。
「はい!由奈ちゃんひいて~」
「あ、あたしはいいや。やらない。」
「え~?じゃあ、これね。はい。持って。」
「えぇ!?」
な、なんて強引なんだろうサユちゃん。
サユちゃんはあたしに棒をおしつけて次の人へまわっていった。
はぁ、と溜息をついてあたしは仕方なく棒の番号を確認した。
番号は…3。
「いーい?王様の命令は絶対だからね!」
モカちゃんの楽しそうな声。
命令は…絶対。
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