第2話
「それにね?あたしは由奈のためにやってるの。
どうせあんた、彼氏いないんでしょ?」
そう言ってモカちゃんはふ、と笑った。
バ、バカにしてるのか!?
「あ、あたしいるもん!」
あたしはすぐに訂正。
あたしにはちゃんと來がいるもん!
「え?そうなの?
でも、どうせダサ男なんでしょ~?
今回の合コンメンバー結構、顔いいよ?」
來、モカちゃんったら來のことダサ男って言ってるよ…。
來、どんまいだね……。
「ほれ、いくよ!いい彼氏ゲットしなさいよ!」
モカはニッと笑うとあたしとサユちゃんの腕をひいて男たちのところへとつれていく。
いっやぁぁぁぁ!!!
合コンなんていきたくないのに!
それに…來には女2人だけって言ってでてきちゃったよ、あたし。
――――――…
「ん~?中学生の頃の友達と2人で買い物?」
「うん。だから明日は倉庫こられない。」
昨日、あたしは倉庫の中でくつろいでいる來に声をかけた。
「友達って、女?」
「うん、もちろん。」
あたしが頷くと來はふわり、と笑う。
この表情が好きだ。
來はあたしの腕をひいて軽くあたしにキスをすると、
「楽しんでいってこいよ。」
って、頭を撫でてくれた。
その後、孝が「こんなところでイチャイチャすんなバカ野郎。」とか言ってたけれど…。
このまま合コンにいったら來を裏切ることになる気がする。
それだけは…絶対に嫌。
「モカちゃん、本当に…あたし、彼氏いるから。」
そんなあたしの小さな声は、
「よろしくねぇ~」
っていう、男たちの声にかき消された。
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