「來弥、らーいや。大丈夫か？」

來弥は目の前でクラスメートに手を振られ、はっと我に返る。

「あ、悪ぃ」

「何考えてたんだよ。女のこと？」

「あー、そういやお前、昔っから好きな女がいるって言ってどんだけ可愛い子から告白されても断ってたもんな」

クラスメートたちはニヤニヤしながら來弥をからかう。

「別にそんなんじゃねぇよ。それに俺は好きなやつなんて居ねえよ」

「はぁ？じゃあなんで告白いつも断ってんだよ。一部ではお前、男が好きって話も…」

「はぁ？んなわけねぇだろ！つかどこのやつか知りもしないやつと付き合えねえっつの」

「はぁ～、そういうことね」

「うるせぇ」

いつまでも自分のことをからかい続けるクラスメートを無視してバスケをしている李織の方をぼーっとみる。

李織のことを小さい頃から知っている來弥にとって、今回李織が生徒会と接触していることは來弥にとっても予想外で今回のことが李織にとって、吉と出るか凶と出るか、吉と出ることを切に願う來弥であった。

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