第241話 第二ステージ
第二ステージは環境が一変していた。
「ほー、こういうの、うちにはなかったな」
洞窟や森林、神殿、屋敷、雲、蜜の海などの環境はあるけど、砂漠はない。
今後の参考にさせてもらおう。
そんなことを考えて眺めていると、不意に
果てしなく続く砂漠にポツンと石の門柱が立っている。門柱の間に見えるのは宇宙のような闇。時折星のように何が煌めいている。
砂漠に門柱がある景色には違和感があるけど、ダンジョン(?)だからこんなもんだろ。
俺のところと違って、転移陣じゃないんだなー、という感想程度しか出てこない。
『またそこをとおったら、もどれるの〜?』
『ボス部屋に戻るのは無理らしいですよ。もう一度入ると、外(迷宮都市)に出るって聞きました』
そういえばそんな話を事前に報告されてたかも。
俺のダンジョンは、外に出るためには来た道を自力で戻らなきゃいけないから、即座に外に出られる仕組みがあるこのダンジョン(?)は親切な作りだ。
『そっか〜。それじゃあ、どんどんすすまないとね〜』
『そうですね。でも、まずはボスだった魔物について考察したいので、人目を避けられるところがあるといいんですけど。洞窟じゃないのは、地味に面倒くさい……』
風によって姿を変える砂漠は、道標になりそうなものが存在していない。
オアシスが点在しているとは聞いているけど、
「適当なところでテントを張ればいいんじゃないか?」
『それはそうですね。じゃあ、あの砂山の向こうにでも』
俺の提案に、
ボス戦をクリアした次の冒険者が来る前に、落ち着けるところを見つけられるといいのだが。
しばらく進むと、
ここなら、冒険者に見られる心配も少ないだろう。正しい攻略ルートから逸れた方に進んだようなのでなおさらだ。
『そーれ!』
一瞬でポンッと膨らんだテントは、俺が用意してやったお手軽テントだ。アイテムバッグから出して地面に置くだけで、勝手に広がるから設置が簡単。
『わあ、なんか出てきたみゃあ』
『家みたいだワン』
影から飛び出してきたフェリスとワンダーが、興味津々な雰囲気でテントの周りをうろつく。
『くはー……砂漠だって知ってましたけど、この暑さヤバ過ぎでしょ』
すぐさま寝転んだところを見るに、
「索敵は怠るなよー」
『フェリスとワンダー、頼みましたよ』
『任せろみゃあ』
『がんばるワン』
他力本願な
『ふあ〜、まだあつい〜……』
全体が影になっているテントの床からひょっこりと顔を出した
なんだったんだ……。
『……弱点発見』
ボーッとモニターを見ていたインクが、密かに目を輝かせてる。
『くーん……確かに暑いね……』
影からリルの鼻だけ出て、すぐに引っ込んだ。なんか可愛い。
俺の愛しのもふもふたちは、暑さに弱いらしい。保温性抜群の毛皮があるから、それも当然か。
俺のダンジョンには砂漠を作らないことにしよう。作ったとしても、絶対にリルたちが立ち入らないところにすればいいか。
そんなことを俺が考えている間に、
『よっこいせ……それじゃ、ボス戦考察の時間ですよー』
体を起こして、そう宣言した
「まずはボスの強さについて気づいたことがあれば報告してくれ」
『強さ……んー、普通の
真っ先に報告してきたのは
剣で斬りつけた時、予想以上に斬れ味がよかったらしい。皮膚の強度が低いんじゃないか、というのが
『浄化したらツヤツヤになってたワン!』
「うん、それは見てわかってた」
続いて報告してきたワンダーに、俺は即座に頷いた。
お肌ツヤツヤ
遠い目をしながら、
理由についての考察は後回しにして、フェリスの名を呼ぶ。
フェリスの攻撃で
『ひっついて魔力を直接吸収したら、一瞬灰色の無機質な物質に変わったみゃあ。すぐに戻ったけどみゃあ』
「は? ……つまり、魔力を抜かれて元の物質に戻った、ということか?」
『一瞬だけそうなってたみたいだみゃあ』
「なるほど……?」
その感想に、俺は驚くような納得するような、なんとも微妙な気持ちになった。
とりあえず、魔物も地獄の穴の構成物質でできた人工物ということで間違いなさそうだ。
どうやってそれを為しているかは、相変わらずわからないけど。
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