薔薇の星

ん?

ここは、

どこだろう?


私が目覚めると、

見渡す限り、

色とりどりの薔薇が咲いていた。

どうやら、

ここは薔薇が支配する星のようだった。


赤い薔薇、

黄色い薔薇、

ピンクの薔薇、

白い薔薇。


いろいろな薔薇が咲き乱れていたが、

どういうわけか、

私だけが青い薔薇だった。


ほかの薔薇たち、

つまり、

赤や黄色やピンクや白の薔薇たちは、

青い薔薇の私を、

悪魔でも見るように、

気味悪がった。


ところが、

どういうわけか、

今まで、

ほかの薔薇たちのところへ行っていた、

蝶や蜂などの虫たちは、

私のところへ集まってきた。


青い薔薇の私からは、

ほかの薔薇たちにはない、

虫たちを蠱惑こわくする、

甘いフェロモンのようなものが溢れていて、

四方八方に漂っているのかもしれなかった。


私は、

たちまち、

薔薇たちの嫉妬を買った。


いや、

薔薇に嫉妬の感情があるのか分からないが、

私は、

少なくとも、

嫉妬の気配を感じた。


そして、

その嫉妬は、

みるみるうちに、

嫌悪感へと変わっていった。


さらに、

その嫌悪感は、

みるみるうちに、

私以外の薔薇たちに伝染して、

薔薇たちは、

波紋が広がるように、

青い薔薇の私を無視していった。


私は、

前世の魔女の星のときに

味わったのとは似て非なる、

陰湿な孤独を感じた。


やれやれ、

ここにも、

私の居場所は無いんんだなと悟った。


そこで、

私は仕方なく、

あの転生の魔法を心の中で唱えた。


(バビロ・ビロロン!)







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