第2話「愛の行方」

「憂塚先生、朝ですよ」

「おお、白瀬、また朝から勇ましいな、夜まで持たんぞそれじゃ」

「いえ、いつだってペース配分考えていますし、なんでしたら、先生よりも体力ありますから」

「そうか、それは随分と低く見られたものだね、では体力勝負と行こうか」

「また突飛押しない、ことを言いますね、」

「いいだろ、いわばこれも根気の強ささ、」

「そうですか、ではお供しましょう」

「ではまずは部屋を掃除しよう」

「なんですかそれは、」

「これはだな、心の平穏さを図るものさ」

「なるほど、実にあからさまな、先導ですね」

「何を、訝しい怪訝な、瞳孔をしてる、まるで私が自身のために機会を設けたみたいじゃないか」

「他社を顧みない、危篤案件、ほんとお幸せでお気楽な方ですね」

「はは、それでも生きることを根絶やしにはしない、常に根付くように身を張っているよ」

「そうですか、ではよしとして、掃除は自分でやってください」

「なな、まったくけったいだね、そうやって積極性を失うと駄目人間になるぞ」

「乗せるのがお上手な、先制だこと」

「はは、これも言わば、君と居るとなせる、諸行無常だよ」

「そうですか、ではお一人でお頑張りください」

「なな、何を言うか、君合っての物種だろ、そこはあいのりしなければ行けないだろ」

「まったくデート気分ですか、もっと空気読んでください」

「はは、ではしかと受け止めた、君が好きだ」

「また天変地異もひけもとる、不実なことを言いますね」

「なな、まったく私は、あくまで言葉を使い、君の深層意識に芽吹きをあげている、これだって立派な口実だよ」

「まったく、それでは行けませんよ、口だけでは、なにも起こりません」

「はは、ならば身をもって知ってもらおうか」

「何を言いますか、まるで遊び足りない邪気を含んだ小悪魔じゃないですか」

「どう形容しようと、私は君を幸せにしたい」

「そうですか、ありがとうございます、でも、私は高嶺の花ですよ」

「はは、高貴たる所以は知っている、故に私も、飛躍するさ、相乗効果さ」

「おめでたいですね、でもしかし愛されることは嫌ではありません」

「はは、それはいいことを聞いた、愛ほど美しい代物はこの世にないからな、楽しみだ」

「まるで先生って、子供のように目を輝かせて、貪欲どこまでも進みますよね」

「はは、そうだね、知りたいことを知りたい、それは謎に対して正直だということ、あるがままに生きてるのさ、それこそ面白みだからね」

「では、もっと楽しみますか」

「お、何をするんだ」

「旅をしましょう、」

「たた、たび?」

「あー先生、私以外の前じゃ対面保てないんですよね」

「まったく、自言を言うな、でもしかし、怖いな」

「ではお供します、一緒に行きましょう、旅へ」

「では君を利用して甘い蜜をすってもいいのか」

「なぜ、困り果てた嫌気な顔をしてるんですか」

「だって外が怖いんだ、だから少し、強ばったことを言ってしまった」

「でも、せんせ、行きましょう、北海道へ」

「ああ、わかった、君がいるなら、幾らか期待は出来る、行ってみよう」

「ええ。」

「任せたぞ」

「どーんと大船に乗ったつもりでいてください」

「それは楽しみだ、決して某映画のように沈むなよ」

「ふふ、そうですね、出港するまでは、まだ地に足をつけれますが、乗ったら最後、そうそう引き返せませんよ、」

「そうだね、しかしそれを冒険というのだろう」

「ええ、冒険です、」

「では行こうか、何もかもを超えて星を見る旅へ」

「ええ、行きましょう」

「ああ、」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る