第20話 通販

「お、荷物来たんだ」

タケオは仕事から帰ってきて、玄関に置き配されているダンボールを見た。

「あれ?こんな大きなダンボールで来たのか?」

タケオは自分が通販で頼んだ商品よりも、かなり大きなダンボールを不思議に思ったが

「まあ、商品に対して、デカすぎるダンボールで送って来る事もあるもんな」

と、納得してダンボールを持ち上げた。

「ん?それにしちゃ重いな…。

こんなに重い商品じゃないはずだけど…」

そう思いながら部屋に入るタケオ。

「早速、開けるか」

タケオは、カッターでダンボールのガムテープ部分を一気に切り裂いた。

それと同時に

「ぎゃああああああああ」

と男の叫び声が響き、切り裂いた部分から赤い液体が噴き出た。

「うわぁ!なんだ!?」

驚き、ダンボールから離れるタケオ。

「切った時、なんか変な感触があったけど…」

恐る恐る、ダンボールを開いた。

「!?」

ダンボールの中には、男の生首が仰向けに入っていた。

顔の中心の上から下まで切り裂かれ血が溢れ出ている。

「な、なんだよこれ⋯」

タケオは恐怖で震えていた。

生首は、目だけギョロっとタケオに向け、

言った。


「お早めにお召し上がりください」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る