一話から心を鷲掴みにしてきます。なぜ月を見ているのだろう…ああ…そういうことか…気がついた時の、悲しささみしさ…けれども彼のもとには、虫たちがやってきますとても短い物語ですが、描写するところ、読者の想像にまかせるところ、ちゃんと計算されて書いていらっしゃる作者さまのセンスに脱帽です
されこうべとイナゴと月で、このような作品を書いた人を私は知りません。イナゴとされこうべの会話もとても良い塩梅で、読みやすいのに、一切の無駄のない繊細な作品です。人生の折り返し地点を過ぎて(作中のイナゴのように)忙しく、めまぐるしく生活しているなかで読んだこの小説が、意識がしんと澄む時間を作り出す。この作品の硬質な光の中に一時たゆたって、そこにあった確かなものを、命が無くなっても確かにあった情景を、無言で見ていたくなる。読んでいて、意識状態を変えられてしまう不思議な小説で、何度も時間を置いて読み直したくなります。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(71文字)
何気なく読み始めたのに、ビックリするほどドラマチックだった!!命の何たるか、がすごくサラッと書いてある。素敵すぎて、ちょっと震えてます。多くは語るまい。是非、沢山に方に読んで欲しい。短いお話だし、紹介文意味不明なんだけど(コラ)、読みごたえありです!!!
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