第14話知りたくなかった真実

 ここ2週間、相変わらず能力を使った模擬戦をずっとやっている。未だに克馬の能力は、二つしかわかっていない。だが初日に比べれば、俺の攻撃の手数は増えてきたし、あの体を破裂させる能力を使う頻度も増やさせることができた。そして、この2週間で銃の勉強をしていた、奴と戦うにえるくらいの知識を得ているはずだ、しかも射撃訓練を平行で行っていたから、結構当てることはできるようになったと思う。とりあえず今日は銃を使って戦ってみよう、銃を使うことができれば奴に攻撃を当てることができる確率が上がるはずだ。

 「フゥ、グラウンドに行くか。」

 部屋を出いつものグラウンドに向かう。今日はどうしたものかどう攻める、俺はあいつに未だ攻撃を当てたことはない避けれる攻撃を受けたりしている何か理由でもあるのだろうか。

 グラウンドに着いたが、まだ克馬はついていない。初日は俺より先に来ていたのに3日たつと、今と同じように俺より先に来ることは無くなった。

「悪い悪い、遅れた。」

 克馬が、手を振りながら少し駆け足でこちらまで向かってくる。

「おはよう、さっさと準備しろ早くやるぞ。」

俺がこう言うと、克馬は少し驚いた表情をした。俺の方へ近づき嬉しそうな表情で、ポンポンと俺の肩を叩いてきた。

「いやー、君が協力的になってくれて僕は嬉しいよ。ま、走ってきたから準備は必要ないよ。かかってきな。」

こいつは、戦闘になるといつものナメた態度からすぐに真剣な表情に変わる。こいつはほんとにやる時はやるやつなのか、ただただ闘うことが好きなどっちかだろう。

「わかった。」

 左手にナイフを持ちいつもとは逆に構える、いつも通り克馬は懐に来たところをカウンターで仕留める体制を作って、だが俺はいつもの俺とは違う今回は遠距離攻撃がある。

 克馬の懐に素早く入り、左の脇腹を刺しに行く。克馬はいつも通り硬質化で受けてくる、右側から拳が飛んでくるのが見える。その瞬間、後ろに跳び紙一重でカウンターをかわす。とんだ瞬間に右手に50口径のハンドガンを作り、素早く構える。克馬は『お』というような表情をし右手を体の前に差し出す。構わず克馬に4発、発砲をする、着地した瞬間、克馬を見ると銃弾が体の数センチ前でかギリギリで止まって。

「な!!」

 驚きで声が出てしまった。すると克馬はニコっと微笑をした。

「これ、返すね。」

克馬が右手を振りはらった瞬間、止めてあった銃弾がこちらの方へ向かってくる。右によけるが、2発左足に被弾してしまう。貫通してよかった、弾が残ってたら結構めんどくさかったな。

 こいつには遠距離攻撃も効かないのか、近くに寄っても硬質化で防がれ離れて、銃を打ったとしても防がれしかもその防いだ銃弾で攻撃をされる。

「驚いたかい蒼梧、僕には銃弾が効かないんだよ。すまないね。」

 だが攻めるしかない、どうすればこいつに攻撃が通るだ。ナイフを左手に持ち、右手には銃を持つ。克馬に1発銃弾を打ち込む、案の定その銃弾は止められる。克馬は困ったような表情をした。

「君さ、銃弾は効かないって言ったよね。」

頭をポリポリしながら、苦笑いをしながら言ってくる。

「まー見てなよ、克馬。」

そう言った瞬間、呆れた表情をし克馬はさっきと同様こちらに向かって銃弾を返そうとしていた。

克馬が手をはらおうとした瞬間、ナイフをブーメランの様に克馬に向かって投げる。意表を突いた攻撃に驚いたようで克馬は珍しくこけそうになるくらいのけぞり銃弾は明後日の方向に飛んでいった、その隙を逃すまいとすぐに克馬の背後に周り、ナイフで後ろから刺す。

 あれなんだこれ、宙に浮いているのか違うこれは上半身が斬り飛ばされた。

ゴトリと頭から落ちなにが起きたかわからず、会いた口が塞がらない。

「今のは危なかったよほんとに、後もう少しで死んでたかもしれないな。君が僕の能力の弱点をついてくるとは思わなかったよ。」

 少し笑ながら克馬は俺に近づいてくる。無理やり下半身が生えきっていない体をおきあげる。

「たまたまだよ、てかなんだよ今の攻撃、なにをされたか全くわからなかった。」

 克馬は下半身からズボンを取り、ポイっと投げつけてくる。

「今のは、風を使った能力だよ。風を使った斬撃を君に食らわせたんだ。」

 なんて無茶苦茶な攻撃をしてくるんだ。こいつは、ほんとに化け物だ。あとこいつは、興味深いことを俺に言ってきた俺がこいつの弱点をついたと言ったのだ。まさかそのまさかだ、こいつは一つ能力を使ってる最中は2つ同時に使えないんじゃないか。一応、確認をしてみるか。

「ああー、一か八かだったが一度に能力を複数使えないとは思わなかったよ。」

 そうすると、克馬はパチパチと手を叩いてから笑って肩をたたいてくる。

「ご名答、僕たちのような複数持ちは一度に能力を使えないんだよ。ヒントも教えなかったのによくわかったね。」

 そう言って、克馬は立ち上がって俺の切れた下半身のほうへ向かう、今まで2つ同時に使うなんて試したことがなかったから全くわからなかった。

急に克馬は俺の下半身を両手で空に向かって投げ飛ばした。克馬は右手を空に下半身に向かってかざした。すると右手、光のようなものが飛び出し、その光が下半身に当たった瞬間爆発した。

「これが僕が使える最後の能力だよ、君最近何か探りながら攻撃をしていたね、多分だけど僕の能力を見たかったのかな。」

 ゴクリと唾を飲む、あまりの理解のできない克馬の行動に驚きが隠せない。

「なんで、そんなこと俺に教えてくるんだ。お前が不利になるんじゃないか?」

俺がそう言うと、克馬は不思議そうな顔で首おかしげる。

「決まってるじゃないか、教えたところで君に勝ち目はないだろう?まーそういうことだから今日はもうこれで終わりな。」

何食わぬ顔でそう俺に伝え克馬は去っていった、いつもは闘いながら少しだが今日起こったたことによって、今まで積み上げていたものが全て空虚で薄っぺらい物だと理解させられてしまった。

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