第13話どうやったら

 朝になった昨日の夜は一切眠れなかった、考えることが多すぎて眠気が吹っ飛んでいった。そのおかげで、もう迷うことはないだろう決意が固まった。

 俺はあいつを近衛克馬を絶対に殺す、何があっても殺すこの決意は変わらない。この決意が間違った物だったとしても俺は変わらない。

 あまりにもあの手紙は、俺の記憶を無くす前のことが明確に記されていた。そして俺に異能の力を与えて自己再生能力を向上させるだろうという、書いた者の予想が的中したことが決め手となった。

 だが力が足りない俺の与えられたこの2つの能力これがまだ全貌がよくわかっていなあいつを殺すにはこの能力が肝になってくるはずだ。今の俺は致命傷を与えられたとしても死なないだけの、普通のやつよりちょっと強い奴なだけだ、だがあいつの能力を俺は一切見たことがない。この能力をどこまで引き出せるかが肝になってくるはずだ。そろそろ、あいつのところに行かねければならない時間だ、とりあえず行くとするか。

部屋を後にし、すぐさまグラウンドに向かっていった。

 グラウンドに着くと克馬がいつもはしない準備運動をしていた、表情から少し笑っているのがよく見える。

「やあ、きたかい蒼梧。」

俺を見るや否や、ニカっと笑いこちらの方へ手を振ってくる。居なかった1週間のことを昨日言っていたらしいが全く聞いていなかった、喜んだ姿を見たことがないこの男にここまでさせた出来事が気になって仕方がない。

「なんかいいことでもあったのか?」

俺が問うと少し真剣な表情になった。

「昨日言ったじゃないかまぁいい、今日はな君の能力を使いながら戦闘をしてもらう。僕もその分能力を使うから君はどんどん使ってくれ。」

 これは光栄にもこいつから能力を使ってくれるらしい。手間がはぶけてよかった、能力をどれだけ奪ってきたのかは知らないがこいつには沢山、能力を使ってもらおう。

「わかった、それで能力ってどうやって使えばいいんだ。」

そう聞くと克馬はポカンとした顔になった、理解をしてくれたようで微笑んでくれた。

「なんと言ったらいいんだろうか、君に渡したのは物を作り出す能力だから手に作りたい物を想像するんだ、君だったら作りたいハンドガンとか作りたいハンドガンを想像するんだ。」

 作りたいハンドガン、ナイフか、だが俺にはハンドガンの知識は一切ない今作れるとするならナイフだな。ものを想像するか。

「お、できてるじゃないかすごいな。君、才能あるよ!」

ほんとだ、右手に30センチ前後のできてる。この感じだと作るのはそう難しいものではないのだろう。

「よし、それでどれだけできるか試してみよう。どっからでもかかってこい。」

 さっきまでのニヤけた表情からは想像もできないほどの真剣な顔になった、あちらはいつでも戦闘体制になっている。

「フゥゥーわかった、いくぞ。」

 どこから攻めるか、一発めだ胸元から行くか。

ナイフを前に出しまっすぐ真っ正面から突っ込む、克馬は迎撃で顔面に向かって左手で拳を放つ、すぐさま紙一重で左にかわす。死角をとり胸元に向かって鋭く刺す。

ガキンと鈍い音が鳴る。

「硬い、、」

 後ろに向かって跳びを踏み2メートルくらいの間隔を空ける。刺した場所はしっかりと破れている。だが全く傷がついていない、胸に鉄板を入れているのかと思ったが

そういうわけでもない。

しかもナイフを見ると先っぽが折れている。

「体を硬くする能力でも使ったのか?」

 克馬は少し微笑み、突っ込んでくる離した距離が一瞬にして詰められてしまう。折れたナイフで顔に向かって刺しに行って応戦するが右に簡単にかわされてしまう。

かわした反動で右肩に向かって鋭いジャブを撃ってくる。当たった瞬間、ブッチと右手がえぐり取られた。危険を察知しすぐさま左に向かって地面に飛び込むように距離を取る。右手を見るとすでに手が生えてきていた。折れたナイフを捨て、すぐにナイフを作り臨戦態勢をすぐに作る。

 すると克馬が、フゥと息を吐きいつもの微笑んだ表情に戻った。

「君の想像通り今使っているのは体を硬質化する能力だよ。そのナイフじゃ僕の体に傷はつかないよ。」

なるほどなだから刺さらなかったのか、でもナイフが折れるくらい硬いってどういうことだよ。

「じゃ、戦闘再開だ。」

 すっと微笑んだ顔から、真剣な顔に戻った。

 「わかった。」

どう攻める刺しても刃が通らない、通常の戦闘力じゃあちらが上だどうしたものか。

「来ないならこっちから行くよ。」

 土煙が上がるほど克馬が踏み込んで、こちらに飛び込んでくる。拳や蹴りを体の至る所に浴びせてくる、その攻撃は絶えることはなく永遠と続きよけるのがやっとだである。反撃をしようと右側に体をずらし、脇腹に差し掛かるが硬質化で刃が通らない、すぐに左肩に向かって裏拳で殴られ、当たった瞬間吹っ飛ばされた。

「こんなのに勝てんのか?」

両手を突いて起き上がりナイフをすぐ作って、右手で体の前で構える。

 克馬に向かって突っ込み胸元を抉るようにさす。当然、硬質化で防がれた。だがすぐに左手にナイフを作り顔に向かってナイフを鋭く突き出す、だが攻撃は簡単にかわされた。克馬は、俺の左手をつかんできた。その瞬間左半身は内側から破裂するようにして吹っ飛んだ。

 こいつのなんつう能力を持ってるんだ。体全体じゃなくてよかった。そうなっていたら絶対死んでいた。

 俺も俺でこの能力ほんとどうなってるんだ。もう左半身がどんどん治っていく。

「治ったら、すぐにかかってこい。」

「ああ、わかった。」


 そのあと克馬に一日中ボコボコにされた。


 全くはがたたなかった、あの体を破裂させる能力は一回しか使わせられなかったな。だが収穫はある、あの体を硬質化させる能力あれは、体の一定の部位しか使えないということだ。だがそれ以外あいつの弱点は得られていない、後予想だがあの体を晴れてさせる能力も両手で触らないと発動しないのだろう。

今の俺ではあいつに一矢報いることすらままならない、強くならなければ。

「はぁー、どうやったらあいつを殺せるんだ。」

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