苫小牧「ホッキカレー」

苫小牧市の港町は、新鮮な海産物で有名で、地元の人々や観光客にとってホッキ貝は特に愛される食材の一つです。その中でも、あるレストランが提供するホッキカレーは、その独特の味わいで人気を博していました。


しかし、ある晩、観光で訪れたサトシがそのカレーを注文した瞬間から、彼の運命は変わりました。彼は香り高いカレーの中に、通常よりも大きなホッキ貝を見つけ、美味しそうに一口、また一口と食べ進めました。


その夜、帰宅したサトシはいつも通りベッドに入りましたが、深夜に激しい腹痛で目を覚ましました。痛みは次第に増し、彼は何かが体内で動いているような感覚に襲われました。恐怖に駆られながらも、彼はトイレに駆け込みましたが、吐き気と痛みは止まらず、鏡を見ると彼の腹部は不自然に膨れ上がり始めていました。


翌朝、彼は病院に駆け込みましたが、検査では何も見つからず、ただ異常な膨張が進行しているだけだった。医師たちも困惑し、様々な治療を試みましたが、効果はありませんでした。夜になると、彼の叫び声が病室に響き渡り、他の患者たちもその恐怖に震えました。


3日目になると、彼の腹部から怪音が聞こえ始め、その直後、彼の体内から何かが這い出る音がしました。医師たちが集まった時には、すでにサトシの腹部は無残に引き裂かれ、そこから出てきたのは巨大化した寄生虫でした。その虫はホッキ貝の形をした頭部を持ち、まるでカレーの中から抜け出てきたかのような色と模様をしていました。


この事件の後、苫小牧のレストランは閉店し、そのホッキカレーは「呪われたカレー」と呼ばれ、地元の恐怖話として語り継がれました。以来、ホッキ貝を使った料理を提供する店では、特に新鮮さや安全性に神経を尖らせるようになりました。


しかし、一部では、その寄生虫が神聖な存在であり、選ばれた者にしか現れないという説もささやかれています。そして、夜になると、苫小牧の港に近い海辺では、まるで何かが海から這い上がってくるような音が聞こえるという、恐ろしい噂が広まりました。

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