札幌「非発売のホラーゲーム」
かつて札幌の平岸にあったハドソンビルは、日が沈むとまるで別の世界に変わるようでした。ある晩、ベテランのゲームデザイナーが、会社で新作ゲームの最終テストをするために残業をしていました。彼はオフィスの一角にある、暗くて静かなテストルームに入り、ゲームを始めました。
ゲームは「呪いの迷宮」と名付けられた未完成のホラーゲームで、プレイヤーは古代の呪われた迷宮から脱出するという設定でした。ゲームを進める内に、不気味なメッセージが画面に表示され始めました。「あなたはここから出られない」「永遠に迷うしかない」と。
深夜2時に差し掛かると、ゲーム内のキャラクターが突然、彼の名前を呼び始めました。驚愕しながらも、彼はそれをバグだと思い、無視してゲームを続けました。しかし、ゲームが進むにつれて、部屋の温度が急激に下がり、何者かの冷たい息吹が彼の首筋を撫でる感覚がしました。
その時、ゲームの迷宮の奥深くで、見たこともないキャラクターが現れました。黒いローブを纏い、目だけが異常に輝くその存在は、声なき声で「永遠にここに留まる」と言ったかのように思えました。恐怖に駆られ、彼はゲームを終了しようとしましたが、画面が真っ暗になり、PCが再起動しなくなりました。
その後、彼は何とかビルから逃げ出しましたが、家に帰ると、彼の部屋にはゲームのキャラクターが描かれた絵が壁に現れていました。翌日から、彼はゲーム内の迷宮で体験した恐怖を現実世界でも感じるようになり、夜になると奇妙な音や幻覚に悩まされました。
同僚たちは彼の話を笑いものにしましたが、数週間後、彼は精神を病んでしまい、二度とハドソンビルには戻れませんでした。そのゲームは未完成のまま封印され、誰もがそのゲームを触れることを恐れるようになったとささやかれています。
コナミに吸収合併され、ハドソンというゲーム会社が消滅した今もこの噂はゲーム業界で語り継がれています。
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