北見「カーリング少女」


北見市は、カーリングの競技が盛んな地域で、冬になると多くの人々がアイスアリーナを訪れます。しかし、その中でも一際美しいカーリング場には、悲しい伝説が付きまといます。


数年前、まだ中学生だった美咲は、カーリングの才能に溢れる少女でした。彼女はカーリングチームの一員として、地元大会で活躍し、全国大会への切符を手にしていました。彼女の夢は、カーリングでオリンピックに出場することでした。


美咲の練習場所は、特に冬の夜に美しく輝くこのカーリング場でした。ある雪が舞う夜、彼女は一人で練習を続けていました。彼女は滑らかな氷上で、完璧なショットを決めるための技を磨いていました。


しかし、その夜、不慮の事故が起こります。練習中に氷が突然割れ、美咲はその隙間に落ちてしまいました。彼女は氷の下で身動きが取れなくなり、寒さと恐怖に震えながらも、助けを呼ぼうとしました。だが、彼女の声は氷に封じられ、誰にも届きませんでした。


翌朝、美咲の姿が見当たらないことに気付いたチームメイトやコーチが彼女を探しましたが、すでに遅すぎました。美咲の遺体は、氷の下から引き上げられました。彼女の表情は、夢を追いかける純粋な喜びから、一夜にして悲しみと恐怖に変わっていました。


その悲劇以来、美咲の亡魂がカーリング場に出没すると言われ始めました。特に、雪が降る夜や、氷が美しく輝く時、氷上に美咲の姿が現れます。彼女はカーリングのストーンを投げる動作を繰り返すのですが、その姿は悲しみに満ち、何かを求めているかのようでした。


カーリング場に来る人々は、美咲の幻を見たと証言し、彼女の悲劇は語り継がれました。新たな選手たちは、彼女の夢を引き継ぐかのように練習を重ね、時に彼女の霊を感じながらも、努力を続けました。


そして、美咲のチームは彼女の夢を叶えるべく、全国大会で優勝し、彼女の名前を冠したトロフィーを掲げました。その瞬間、氷上に美咲の笑顔が浮かんだと、多くの人が見たと言います。


今でも、北見のカーリング場では、美咲の悲劇が語られ、彼女の存在が氷の上で生き続けています。選手たちは、彼女の夢と悲劇を心に刻みつつ、氷上で戦い続けるのです。

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