第16話 攻略準備
東海市のダンジョンを攻略してから一週間たった。
この間、他のダンジョンはそこまで勢力を広げられていないと予想している。
と言うよりも三日目以降はそこまで攻略が盛んに行われているとは思えない。
現に俺の支配するダンジョンが攻められることは一度もなかった。
やはりどこのダンジョンマスターも攻略の仕方に工夫をこらそうと試行錯誤していると思われる。
俺も例にもれず訓練と実験をしていたのだがもともと決めていた期限になったので明日からまた他のダンジョンの攻略を始める。
なのでここまでの成果をまとめて攻略の準備を始めていこうと思う!
“なに一人でかっこつけてるんですか。しかも妄想で”
「小白さんや。恥ずかしいから思っても直接伝えないでくださいますかね」
“ついに壊れてしまったのかと思っただけですよ”
「壊れてねぇよ!!つーか、男の子はみんなそういうものなんだからしょうがないの。本能なんだから」
“くだらないですね”
「小白さんも辛辣になりましたね」
“まぁ訓練とか研究とか結構適当に進めてとっ散らかっているのは事実なのでまとめるのはやる必要あると思いますがね”
「じゃあすんなり始めさせてほしかったな・・・。なんで一回心折にくるんですか」
“よく鳴くので”
「おもちゃじゃないんだから遊ばないでください」
“どっちでもいいですが攻略急ぐために早くまとめるんじゃなあったんですか?”
そうだった早く始めなきゃじゃん。
とりあえず時系列順に進めていこうか。
まず東海市を攻略した後、他のダンジョンと同じように防備を整えた。
防衛に関してはダンジョンが世間に露見して当分は方針を変えるつもりはない。
ダンジョン外でもモンスターが見えるようになった後、一人のダンジョンマスターの勢力が分かるようになったら防衛も変えていくことになるだろう。
その後はコボルト達の訓練を開始した。
最初にここまでコボルト達だけでやってもらっていた模擬戦を見せてもらった。
優先すべき技術は情報伝達関係だと思っているので取り仕切る側になっていた一匹をピックアップして小白に任せて日本語の学習に向けた。
DPに余裕はあるので各部隊隊長格に無線機を配って情報収集に向けようと思っている。
日本語学習をしてもらっている個体にはコボルト達が集めた情報をまとめてもらって俺に伝えてもらう役割になる。
俺の言葉がコボルト達に伝わってもコボルト達の言葉は俺に伝わらないからな。
攻略部隊の主な役割は情報収集になる。
前回の攻略で感じたのはやはり探索スピードの遅さになる。
俺が確認しなければいけない関係上どうやっても時間がかかる。
そこをコボルト達が散開して探索できるなら効率が数倍にはめあがることだろう。
少なくとも知多市や東海市のようなダンジョンで一日かけることもなくなるはずだ。
訓練の主な内容はその探索を強化するものにした。
探索の際に意識して探る場所の当たりや安全な探り方をインプットしていく。
それと同時に各隊一体隊長を選んで部隊全体を確認しながら指示出しする訓練も進めていく。
正確には各ダンジョンを使っての実践訓練になる。
それぞれのフィールドの特徴を把握してもらっていく。
訓練をするにあたって実際のダンジョンを使ったため襲撃への備えとリスク回避のためにすべてのダンジョンに2階層を作った。
メインは訓練のための階層なので色々な防衛の仕方を作った。
これまで通りのものもあればこの前の東海市ダンジョンのようなもの、遺跡フィールドの武豊町では迷路のような形、森フィールドでは木の上をなどを使った上下差をつけた隠し方などこの一週間で濃い訓練をできたと思う。
また防衛の形もいろいろ試せたので俺としてもいい訓練の時間になった。
当然、戦闘の訓練もこの期間に行った。
探索を訓練していた部隊とは別にコボルト5体とスケルトン15体による警護部隊も組んだ。
もちろん、警護対象は俺になる。
スケルトンを選んだのは一定の耐久力とスピードを確保するためだ。
戦闘能力だけで選ぶならオークにだったがさすがに攻略に際してはスピードも大切なので外した。
逆に防衛時には頼りになる戦力なので緊急時の応援に期待したい。
戦闘訓練は警護部隊らしく護衛訓練だ。
オークとゴブリン50体づつ、計100体に急襲させて警護対象役を守らせた。
最初の内は警護を抜かれて警護対象を破壊されたりしたがすぐ抜かれることもなくなり逃げる判断も含め警護隊長の優秀さを感じることができた。
と言うか全体的にモンスター達の学習能力が高い。
日本語学習をしている個体も5日間で日本語を扱えるようになった。
ただスキルに反映されてしまったのでオリジナルモンスター化して複製する計画のコストが跳ね上がってしまったが。
ちなみに得たスキルは『言語理解(日本語)』だった。
これを見るとどの言語も習得させられる可能性がありそうだ。
俺に対して使えなくても理解していれば人類が攻めて来たりダンジョンマスターが攻めてきた時に相手が何を言ってるか情報を確保できる可能性も出てくる。
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種族:コボルト
ランク:F-
ロール:なし
生息地:森
スキル:言語理解(日本語)
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今回はスキル以外の変化はなかったが場合によってはランクの変動やロールの変化があるらしい。
この個体をオリジナルモンスター昇格を確認すると必要DPが5050DPとなっていた。
オリジナルモンスターに昇格させる際の必要DPはそのモンスターを複製する際に必要となるDPの100倍となる。
なのでこのモンスターの複製時のDPは50.5DPとなる。
消費は1DP単位でしかできないので2体づつ複製することになる。
これはランクがF-のモンスターが1DPで2体複製されることによる影響で複製する際は101DPを使って2体複製することになる。
これは後回しにしても必ずオリジナルモンスターにするだろうからすぐに昇格させた。
この段階ですでにDPは5万以上貯まっていたので昇格自体は余裕があった。
小白曰く、オリジナルモンスターには区別しやすくするために名前を付けられるらしい。
確かにスキルなどに載っていない経験値や知識なども複製されるので全く同じ鑑定結果でも区別する必要性がある。
そのための機能なのだろう。
今回の個体はスキル取得した個体な上で現状、他の者と区別する必要性もなさそうなのでそのままにしておく。
ここまでの準備が終わった昨日、全体の流れを確認するために実際の攻略の形を試してみた。
訓練を行ったのは南知多町、武豊町、阿久比町の各2階層。
これまで訓練してきたパターンをランダムで選び攻略をさせた。
パターンは俺が選んだので攻略自体はモンスターだけで行ってもらった。
ダンジョンの内容の変更する際の制限として自身と支配下のモンスターを除く生命体が存在する際は罠の設置とモンスターの配置以外はいじれないことになっている。
なので今後も攻略の基本はモンスター達に任せることになる。
俺の役割はダンジョンコアの回収と方針の決定だな。
実際、攻略ルートの開拓だけだったらモンスターだけで進めることができる。
なので複数のダンジョンへ同時に仕掛けることもしていくだろう。
今回の訓練内容自体は小白だけに任せても進められる範疇になる。
なので他のダンジョンを攻略している最中に戦力を強化することもできる。
また隊長格以外は新人を現在の部隊に組み込むことで実践で鍛え上げることもできるので戦力が削れても大きな問題になることは無いと思う。
今の大隊構成は
・探索部隊コボルト10体(内隊長格1体)×10
・護衛部隊コボルト5体、スケルトン15体(内隊長格2体)×1
・言語理解持ちコボルト(副部隊長格)×1
の合計121体で一部隊を構成する。
ここに俺が大隊長として加わることによって攻略する際の一大隊となる。
この中の部隊を小白に量産していってもらっている。
“私の仕事量多くないですか”
「それはそう。頼りにしてるからな」
“騙されませんよ。私にも休憩をください”
「今は無理。訓練関係はさておき今の情報収集には過敏になっておきたいから休憩はしてもらった困る」
“じゃあ今度一括で休憩貰いますね”
「前提小白に休憩って意味あるんか?」
“いいえ、まったく”
「じゃあしないでもらえますかね。モンスターもだが働ける者には働いてもらうからな」
“横暴ですね”
「しょうがない。一番の踏ん張り時だからな」
どうしようもないからな。
そして今日やるのはモンスターガチャだ。
この一週間までに貯まったDPは約8万4千DP。
部隊戦力用や昇格、訓練や防衛用などで一万DP強使ったので残りは大体7万4千DPになる。
予備に1万DP程残すとして6万DPを使ってガチャをしていこうと思う。
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お久しぶりです。
特に後書きを書くつもりはありませんでしたがちょっと書かざるを得なくて・・・。
この第一章16話は非常に納得していない出来になっております。
もうちょっとわかりやすく順序をしっかりして書けるはずなのでどこかのタイミングで書き直すと思います。
実は前話の書き終わりからこの話の書き初めまでに個人的な問題で少しの時間が空いております。
そんな中で色々と切り替えるために無理やり書き始めた部分がありまして内容があっち行ったりこっち行ったりしております。
後からこの話を読んで次以降の話を考えている中で出来の悪さを強く感じました。
現状このお話を書き直す元気はないのでこの不出来な中投稿させてもらいますがお許しください。
その内余裕ができたらしっかり順序だてて読みやすいように書き直すつもりです。
再開直後から情けないことになってしまって申し訳ないです。
どうかご了承ください。
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