第17話 ガチャを引く①
本日はガチャの日。
6万DPをどう振り分けるか悩む。
ガチャの内容は
・上級ガチャ(S・A・B)50,000DP
・中級ガチャ(C・D・E)5,000DP
・下級ガチャ(F・G)500DP
これがフィールド別にある。
ただ上級ガチャを引いたとしても複製するDPが足りないと思う。
上級ガチャで複製コストの一番安いB-のモンスターでも複製DPは5,000DPになる。
現状においても一日1体、大府市ダンジョンの攻略が終わっても一日2体。
しかもそれでその日のDPを使い切ることになる。
今回のDPはガチャで使い切るつもりなのでそれはいい。
ただそれを今後すぐ生かすとしたら上級ガチャは拙速な気がしている。
オリジナルモンスターを切り札にする手もあるがリスクが高い。
・・・いや安いものを数日かければ複製できるなら防衛時の最後の切り札としてはありなのか。
高いものなら複製できなくても負ける可能性は低いか。
じゃあ上級ガチャは一つ挟みたいところだな。
即戦力の下級ガチャを一回も引かない手はないから、中級ガチャも一回で残りを下級ガチャにつぎ込むか。
どのフィールドのガチャを引くかも悩むところではある。
下級ガチャは5回あるから各フィールドのものを一回づつ引けばいいが中級ガチャと上級ガチャに関しては一回づつしか引かないからしっかり選ぶ必要がある。
これまでガチャをほぼ引いてない上でモンスターの情報も初期のもの以外ほとんどないので傾向もクソもないのだが考えられるだけ考えてみるか。
まず考えるべきは分かりやすい墓地フィールドのガチャだと思うがここは簡単に耐久力の高いモンスターが多いと思っていいだろう。
墓地のモンスターはアンデットが多い前提で進めていいと思う。
その他の違いを考えるのが難しいがやはりフィールドにあったものと考えるべきだろう。
森フィールドは障害物も多いので奇襲や搦手を得意とするモンスター。
逆に草原フィールドは開けているので力押しなど純粋な戦闘が強いモンスター。
遺跡フィールドは狭い通路や部屋が基本の為、草原フィールドのものよりも小回りの利くモンスター。
洞窟フィールドは遺跡の条件に加え夜目の利くモンスター。
といったイメージだろうか。
空を飛べるモンスターも開けたフィールドの方多いだろうし、土の地面が存在しなければ地面に潜るモンスターは出ないだろう。
この感覚から今の目的にあった物を選びたい。
いや先に下級ガチャを引いて傾向の情報を増やすことを先にしようか。
ここは今日のメインコンテンツじゃないからサクッと終わらせてしまおう。
まずは森フィールドのガチャから。
これまで通り目がつぶれそうなほど眩しく光るから目をつぶって少し待ってから目を開ける。
これは・・・・クモ?
しかも手のひらサイズで結構でかい。
いや普通のクモにしては大きいだけでダンジョンのモンスターと考えると小さいと思うのだが戦えるのか?
さっきの傾向の予想的にはばっちりのものなのだが今この搦手をどこまで生かせるかは分からないな。
小白の鑑定は下級ガチャが終わったところでまとめてやってもらうとするか。
ガチャ結果はこんな感じだった。
森フィールド→クモ
草原フィールド→ゴブリン
遺跡フィールド→ネズミ
洞窟フィールド→スライム
墓地フィールド→ゾンビ
だった。
まぁ傾向の予測は警戒しつつ、そこそこ信用できる感じかな。
ネズミは完全斥候かな。
コボルトより優れていそうな点はダンジョン外でも斥候の役割を果たせそうなところかな。
ダンジョン内で使うとしたら敵ダンジョンへの放逐かな。
数を出して置けばダンジョン防衛の邪魔をできる。
ゾンビはしっかり腐臭しますね。
あんまり近くには置いときたくないかも。
隔離部屋でも作っておくかな。
まぁ後の細かい所は鑑定結果見た後にするか。
この鑑定いっつも小白に出して貰てるけど自分でできないのかな?
“できますよ”
「やっぱできるんだ。スキルスクロールで獲得?」
“自分の支配下のモンスターであれば好きに確認できますよ。それ以外のモンスターを確認する際には鑑定スキルが必要です”
「攻略に出る時はいるのかぁ。今後の攻め方を考えると鑑定コボルトを作った方が良い気がするなぁ。オリジナルモンスターのコボルトは二体いるし、どっちかに鑑定のスキルスクロール使うかぁ。つーか日本語教えるのもオリジナルモンスターにやっとけばDPの節約になったのか。今後はオリジナルモンスターにしてからスキルの訓練したほうがいいかもな」
“そうですね。ただ実際に欲しいスキルが手に入るか、その節約を超える出費を出さないかを考える必要がありますけどね”
「それもそうなんだよなぁ。まぁ最低限スキルスクロールを使う際にはそうするかな。この感じだと小白に頼ってるから認識をたがえてるところもありそうだな。なんか思いつく?」
“あぁ・・・。防衛時の敵発見の流れでしょうか?”
「ん?敵がダンジョンに入ってきたら確認できるんじゃないのか。ダンジョンにいれば」
“違いますね。基本確認はすべて目視になります。現状私はダンジョン内を常に監視している状態にあります。その際に侵入者を発見し報告しているだけです。なので透明になって侵入された場合は発見できずダンジョンが攻略され切る可能性もあります。それに対抗するにはダンジョンシステムで侵入通知や通過通知を使用すれば知ることができます”
「うーん。思ったより杜撰な警備してたんやなぁうち」
“杜撰と言えばそうかもしれませんが通知すり抜けのスキルや道具もあるのでどっちかやってればという話でもないですしこの早いタイミングでそこまでたどり着いているダンジョンマスターは少ないのかなと思いますよ。実際、大青も攻略の時に姿を隠す形のパターンも考えているじゃないですか”
「それはそうだけどさ。その手の道具もDPの交換リストにあったからそりゃ想定するし、使われた際の対応策も考えてはいるけどさぁ・・・」
“じゃあ杜撰って言うほどじゃないでしょう”
「それもそうかぁ」
とりあえず自分で鑑定結果出せるなら出してみるか。
—————————————————————————————————————
種族:スパイダー
ランク:F+
ロール:なし
生息地:森 等
スキル:製糸変更
—————————————————————————————————————
—————————————————————————————————————
種族:ゴブリン
ランク:G-
ロール:スライムトルーパー
生息地:草原 等
スキル:騎乗(スライム)
—————————————————————————————————————
—————————————————————————————————————
種族:ネズミ
ランク:G
ロール:なし
生息地:遺跡
スキル:なし
—————————————————————————————————————
—————————————————————————————————————
種族:スライム
ランク:G+
ロール:なし
生息地:草原 等
スキル:なし
—————————————————————————————————————
—————————————————————————————————————
種族:ゾンビ
ランク:F
ロール:なし
生息地:墓地
スキル:悪臭耐性
—————————————————————————————————————
えっと、知ってる情報と違うものがありますね。
とりあえずゴブリンか。
ロールはスキルの影響で変わってそうではある。
ランクが下がるのは意味が分からない。
スキルが増えればランクは上がるものだと思ったのだが。
「小白。騎乗スキルの詳細って同じように見れるか?」
“はい見れますし、こっちでお出しすることもできますよ”
「じゃあお願いしようかな」
“かしこまりました”
—————————————————————————————————————
スキル:騎乗
指定されたモンスターに乗っている際に能力が上がる。
逆にそのモンスターに乗っていない際には能力が下がる。
—————————————————————————————————————
これは起用むずいなぁ。
ランクが下がったとはいえスキル値とスライム分のDPを消費しなければ運用しずらい。
それがどこまで有用に働くか。
スライム側に騎乗しているモンスターへのバフがかからない限りは使うことは無いかなぁ。
少し複製しておいて実験部屋でひたすら訓練かなぁ。
有用なったらいいなぁくらいで。
それはそれとしてびっくりしてトルーパーの使い方を考えていたがガチャからスキル持ちのモンスター出てくるんだな。
“そうですね。確率ではありますがスキル付きは出てきます。スキルはランダムですが複数付くこともあります。ただスキル込みのランクでどこのガチャから出てくるか決まるので下級ガチャでは出てくる可能性は低いですね”
じゃあ結構な運ゲーを通り抜けて外れを引いたのか。
つらいな・・・。
いや他のモンスターもいるから気を落としたらダメだ。
新規モンスターが3種類いるから期待しよう。
まずは初期で判明していたゾンビかな。
分かりやすく臭いよな。
近くに置いておきたくないけどこれは敵にとっても同じことだから有用な点である。
悪臭耐性はゾンビが最初から保有している物だから複製には関係ないが意味あるんか?
このスキル。
つーか嗅覚あるんだなゾンビって。
こっからいろいろ試しながら使い方は模索していくがこいつも基本防衛になるだろう。
基本で開示されたモンスターだから使いやすさもある。
現状では墓地フィールドでしか使えないがそれ以外でも強い場面はあるだろう。
例えば遺跡フィールドや洞窟フィールドでは匂いも籠るだろうし動きの遅いこいつが敵を追いかける必要も少ないだろうから強みが生かせるだろう。
細かい使い方は今後の訓練次第だな。
次は最初に出たクモ。
スキルの製糸変更は持っていても不思議ではないスキルではあるが小白曰く、初期のスキルではないらしい。
本来のクモは初期スキルで粘糸生成か鋼糸生成のどちらかを持っているのだが今回の個体はその両方を変更しながら使えるというものだった。
そのスキルの影響でランクも一つ上がっているので本来のクモはFランクになる。
本来のクモよりも一体での汎用性が高く柔軟に働けるが製糸変更のスキル値が15DPなのでだいぶ高級にはなる。
現状はこれで行くしかないが複製DPが17でこの性能を今後どうとるか。
ベーシックなクモを手に入れた際に使うかどうかはその時になって考えることにする。
最後にネズミだな。
ただこいつは特に変わりのない数で攻めるモンスターだな。
ランクが低いので数を複製しやすい。
それがメインだな。
小さく素早いのでうまくやれば斥候として強く使えると思う。
後は敵のダンジョンにこのネズミを大量に放っておけば改造しづらくてうざいと思う。
これは大府市ダンジョンは間に合わないにしてもその後からは使えるかな。
まぁ総じて当たり感があるな。
まぁ最初の内はどれが来ても当たり感を感じるだろうけど。
じゃあ本命の中級と上級のガチャに行きますか!
次の更新予定
ダンジョンと共に生きる 藁科蒼二 @warasinasouji
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。ダンジョンと共に生きるの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます