第13話 東浦町ダンジョン攻略戦③
洞窟フィールドは景色が変わらん上に閉所だから飽きてくるな。
さすがにほぼ変わらない景色が2時間以上続くのは精神にくるものがある。
その点では森フィールドは他の初期フィールドに比べて少し不利なのかな?
あそこなら飽きづらいだろうし。
この道中あるのは機械的に処理する分かれ道と行き止まり、後は一度だけあった小白からの確認の連絡だ。
別にある程度好きにやってもらって構わなかったのだが律儀に連絡をくれた。
こっちをいじり倒してくるくせにしっかり主従関係を意識しながら動いてくれるのはうれしい限りだ。
ただ全く敵の姿もトラップも見えないのはすごく不気味なもので本当に防衛する気があるのか不思議には思う。
相当数の戦力で攻めに出れるならば防衛にももう少し気を使うと思うので何かしらの策をもって防衛してるはずだがそれも見えてこない。
攻め方的にも俺みたいに使うモンスターを1種類に限ってやっているわけでもないだろう。
また分かれ道か。
分かれ道はすべて右に行くようにしている。
いわゆる右手の法則というやつだ。
これでうまくいかなかった場合はまた考えるが一旦しらみつぶしに見ていこうと思う。
「ヴギャ!」
おっ分かれ道を曲がった先で先頭を歩くコボルト達が騒ぎ始めた。
普段から割とうるさいが今はさらにうるさく騒いでいる。
戦闘音が聞こえるわけではないのでモンスターを見つけただけだろう。
目の前にいるわけではないだろうからそのまま進んで行って状況を確認してから判断しよう。
・・・?
バットしかいない??
コボルトも一緒にいると思ったんだがな。
バットだけならこのまま突っ込んで殲滅しようか。
モンスターがいるので殲滅後にあの辺りを徹底的に調べ上げようと思う。
左右のクリアリング部隊だけそのままクリアリングしながら進んでもらってそれ以外はあのバットたちに突っ込む。
クリアリング部隊はそのまま戦闘地帯までクリアリングしながら進んでもらってその後戦闘に加わってもらう。
それじゃレッツゴー!
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あっさり終わってしまった。
バットの数がいたから少し時間がかかってしまったがこっちの損害もなくさっくり殲滅できた。
この後しっかり調べようと思ったけど戦闘中に見たのだが今の戦闘場所から少し進んだところからバットが出てくるのを確認した。
多分あそこがコアルームだろう。
ただあまり数が出てこなかったからまだモンスターは中に残っているだろう。
コアルームも見つけたしここからはモンスターも減らし過ぎないように気を付けながら最後詰めようか。
小白からの連絡もないからダンジョンマスターもいないだろうからサクッと吸収してしまおうか。
メインコアだと嬉しいんだけどな。
ここからやることはこれまでと同じ、先頭のコボルト達にモンスターを抑えてもらう。
その間にコアを回収しに行こう。
うーん、壁の中にコボルト達が入っていく姿がすごく不思議に感じる。
もう慣れたと思ってたけどまだまだファンタジーの世界に入り込めてないんだろうな。
改めて感じるけどダンジョンは不思議ですごい存在だなぁと思う。
直感的に感じるものと反する事象を簡単に起こしてくるし、今後はより強く感じるようになるはずだからなぁ。
頑張ってこれを乗りこなしていかないと生き残れないんだろうな。
3分の2程のコボルトがコアルームの中に入ってったからそろそろ大丈夫だろう。
中がバットだらけの可能性があるから速攻でコアまで行こうか。
コボルトが入っていくのも変な感じしたけど自分が入るのはもっと変な感じするな。
感触もないからするっと入っていけるのも少し拍子抜け感がある。
視界は壁に潜った瞬間テレビのチャンネルを変えたかのようにパチッと切り替わった。
見渡すとコボルト達が頑張って作ってくれているコアへの道とその外で大量にうごめいているバット達が見える。
まだまだこんな数がいたんだな。
まぁG+のモンスターならめちゃくちゃ複製できるからこの位いても不思議ではないけど。
相変わらずコボルトの姿は見えなくて、バット達の隙間からかすかにおびえているダンジョンマスターが見える・・・ダンジョンマスターが見える!?!?
なんでダンジョンマスターがここにいるんだ?
小白から連絡もないから阿久比町ダンジョンで倒されたり、撤退したわけでもないだろうからどこから帰ってきたのか。
とりあえずコアの回収を急ごう。
何をするにも周りのバット達が邪魔にしかならない。
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RESULT
東浦町ダンジョン(洞窟フィールド)を吸収成功
・バット(オリジナルモンスター)×1
・バット×771
・チョココロネ×47
・クローゼット×1
・・・
を取得いたしました。
残っていたDPはありませんでした。
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とりあえずコアを回収してバットまで手に入ったから最低限の目標には達した。
だがあの時見えたダンジョンマスターは何なんだ?
他のダンジョンに攻められている様子は無かったし、人類はまだダンジョンをしっかり見つけていないはず。
知多市ダンジョンから逃げ帰ったにしても阿久比町ダンジョンにいるダンジョンマスターが誰かわからなくなる。
小白が報告サボるとも思えないんだがなぁ。
いや東浦町も支配したからここから確認できるのか。
“そうですよ。私を疑う前に自分で確認してくださいよ”
「ひゃっ、小白気づいてたのかよ」
“そりゃそうですよ。大青の状況が突然わかるようになったのですから。攻略を終えたんだろうなぁと”
「なぁあそこで戦っているのは知多市から来たダンジョンマスターだよな」
“はい。そうですね”
「さっき東浦町ダンジョンのコアルームでダンジョンマスターを見たんだけどなんでだと思う?」
“東浦町ダンジョンにダンジョンマスターがいたんですか?それはちょっと想定外ですがそのダンジョンマスターが東浦町のダンジョンマスターだった場合、考えられる可能性としては知多市ダンジョンと東浦町ダンジョンはダンジョンマスターが違うとかですかね。東浦町が洞窟フィールドであり、今攻めてきているダンジョンマスターがコボルトとバットを連れていた為二つのダンジョンは同じダンジョンマスターだと仮定して進めましたがそれが間違っていたパターンですね。知多市ダンジョンは隣接とされる条件のダンジョンが多いうえでどこのダンジョンも移動にかかる苦労がそこまで大きくないので東浦町以外のダンジョンマスターと同じ可能性があります。現実的にありえるダンジョンは東海市、
「そっかぁ、やっぱミスったのは最初だよなぁ。そしたら東浦町ダンジョンでバットは手に入ったからいま隔離しているバット達は全部スライムに食べさせていいよ。そしたら阿久比町のスライムは撤収させていいよ。残ったダンジョンマスターは適当にオークと戦わせておけばいいかな。ダンジョンから逃げるのと自殺だけさせないように気を付けてね。俺はこの後またコボルト達連れて知多市ダンジョンを攻める。東浦町ダンジョンはバットしかいなくてコボルトの損害は無かったから同じ奴らを連れていく。訓練させてる奴らは訓練内容含め明日以降やっていくからそのままにしておいてくれ」
“分かりました。あのダンジョンマスターは攻略を終えて消えるまでそのままで大丈夫ですか?”
「うん。それで大丈夫。知多市ダンジョンを攻略してあのダンジョンマスターが消えない場合は東海市ダンジョンまで一気に行こうと思う。当初の想定通り進めるつもりだから知多市と同じダンジョンマスターのダンジョンが東海市以外だったらそのダンジョンマスターは倒しちゃっていいかな。まぁそのときはまた指示出すから」
“了解です。それでは攻略頑張ってください”
よし、準備して知多市に出発だな。
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