第5話 冒険者試験②

「鑑定結果は以上のものですが当然この結果には出てこないものもあります。例えばゴブリンで言うと上位種がいない現段階でもある程度連携は取ってきますし、死んだふりする奴も味方を囮にする奴もいました。多少の連携をとることもするし、考えて動くしぐさもするということです。ただそれだけともいえます。簡単に言うなら子供のイタズラみたいなものです。油断していれば不意を突かれますが、しっかり警戒して事にあたれば見破れる程度です。これは他のモンスターにもあります」


副組合長の話ではこんな感じらしい。


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ゴブリン→多少の知性がある。意外と力もある。

スライム→素手で触ると化学火傷のようなものをする。場所によって形状や色が大きく違う。

コボルト→ゴブリンより連携は上。ただゴブリンほどの力もない。

アント→アゴの力が強く、地面からの奇襲もある。

ゴーレム→地面や岩に擬態していることがある。

オーク→群れていることもある。力が強く、こちらを捕獲しようとする動きも見られた。

スケルトン→落ちていた死体の装備をしていたことがある。

ゾンビ→ある程度の傷までは回復してくる。


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こう見るとゾンビなどはなぜスキルではないのか不思議である。


「鑑定の表示自体もまだまだ謎の多いものです。ランクがどうやって決まっているのか。説明は誰が書いているのか。どこまでわかっていてどこがわからないのかすら分かりません。なので既知の情報をどれだけ知っているか。そしてそれをどれだけ応用して戦っていけるかが大切になってくるのです。また戦いながら相手の情報を探っていくのも大切になります。基本的には慎重にしかし攻める時は見逃さず攻めることが

生き残るためには必要なのです。続いてステータスについてです」


副組合長はそのまま続けようとした。

休憩もなくだ。

大体半分ほど終わったから休憩でもあるのかと思ったがそんなそぶりも見せなかった。


「が休憩はと思った人も多いでしょう。本日は昼食を除いて休むタイミングはありません。ダンジョンの中では数時間動き続けることはざらにあります。座学をするだけの数時間でへばっていては冒険者などやっていられません」


だと思ったらとのことだ。

たしかにそうなのかもしれないし、試験という意味では正解なのかもしれない。


「じゃあステータスについてです。ステータスはダンジョン内で念じることで確認できる自分の能力の事です。今回は例として自分のものをここで表示させていただきます」


そういってモンスターの鑑定結果から画面が切り替わった。


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名前:隅田 雪星

種族:人間

ランク:F+

ロール:剣士

スキル:身体強化(微)


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なんかモンスターと同じようなものが出てきた。


「基本的に出てくるのはモンスターの鑑定結果と同じです。違いは名前があるかどうかくらいです。またロールに関しては使っている時間の長い武器に合ったものを勝手につけられるようです。ただまだ研究が進んでいない部分も多く、そうらしいとしか言えないですけど。またスキルはロールよりも分からないことが多く、これまでの経験によって発生していると思われるのですが、剣道を習っていても剣術スキルがなかったり普段料理をやらないのに料理スキルを持っていたりとそれだけが条件ではなさそうです」


副組合長は意外と前線に行ってるのか。

組合長はベテランの冒険者みたいな雰囲気出しているが副組合長はそんな感じしなかったが。

そしてスキルもいろいろあるんだな。

魔法とかがあったら使ってみたい気持ちもあるが。


「ステータスのランクはモンスターのものとほぼ同等と考えてよさそうです。同ランクのモンスターと1対1なら戦えるイメージですね。モンスターのところで少し言い忘れていたのですがあの鑑定結果はモンスター1体に対するものです。ゴブリンが群れていれば同ランクでは勝つ確率が低くなります。今後あるか分かりませんが小さい虫のモンスターがいっぱい集まっていたとして鑑定結果のランクより厄介なものが多いでしょう。そういうこともあり冒険者組合では複数人で潜ることをお勧めしますし、甲種を取った方にも油断しないように定期的に呼びかけていくつもりです」


見ているとますますダンジョンは人間とモンスターを区別していないように見える。

この調子なら人間に対する鑑定も効きそうだし外から動物など連れて行っても効きそうだ。


そこからまた副組合長は画面表示を変えてスキルについて喋っていった。


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1種

・身体強化(微)・疾走・剛腕・剛力


・属性魔法(風・水・火)


2種

・剣術・槍術・火器術


・鑑定・家事・料理・掃除


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「簡単に言ってしまうと1種はダンジョン内でのみ、2種はダンジョン外でも使えるスキルとなります。ただダンジョン外で使えるといっても基本的にはもともと持っている本人の技術でということなので2種は効果がないといっても差し支えないものになります。逆に1種は身体能力が上がったり魔法が使えたりと普通の人間ではできないことをダンジョン限定でできるようにするというものです。ただ先日の怪物暴走スタンピードのようにモンスターが外に出ている場合はモンスターの半径1㎞以内なら使用ができるようになります。なので今後皆様は条件付きでもダンジョン外で使える可能性がある為、スキルは冒険者組合への報告義務があります。また新しいスキルについても報告義務をつけさせてもらいます。これによって報告されたスキルはすべて公表されるわけではないので承知しておいてください。虚偽の報告が疑われた場合には鑑定による強制開示もあり得ます。また場合によっては免許取り消しの可能性もあるので覚えておいてください」


やはり鑑定は人間にも使えるようだな。

言い回しを見るに現段階で防ぐ術はなさそうだ。

そして驚きだったのは剣術などが2種スキルだったことだ。

これで剣術を取っても剣の腕がうまくなるわけではないのがわかった。

多分取得するのにまず剣の練習がいるのだろう。

そんな簡単にはいかなさそうだ。


「最後はダンジョンについてです」




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説明なげぇよ!

って思ってる方多いと思います。

自分もすごく思ってます。

ただ申し訳ないことにまだまだ続きます。

ダンジョンが発生した直後ということもありすべてが新発見で教えないといけないことが多いのです。


・・・・早く進みたい


頑張ります(´;ω;`)

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