第2話
どうやら雨の勢いは激しさを増したらしく、バケツをひっくり返したかのような雨粒へと変わっていた。これは雷も鳴るのでは?と思案していれば、タイミングの良いことか部屋を少し明るくするとすぐに響き渡った。その事に深く、私は長く嘆息した。
とりあえずテーブルの上に散らばっていたものを端に寄せ、コップを置き電気を点けるべきか迷っていれば枕元に置いてあったケータイが点滅しており、メッセージを知らせていた。
こんな時間に誰だ、なんて思い指を滑らせるとある人物からきていたことに僅かに頬を緩ませる。
こんな時間まで起きてるなんて、そう思いながらメッセージを開くとどうやら水を飲みに行っていた間にきていたようだ。
“眠れてる?”
“さっきおきたよ。こんな時間まで起きてるの?”
“やっぱり。ちょっと課題が終わらなくて...”
返信を返せばすぐ既読と表示され返事が返ってくることから、課題の生き抜きだろうと思うと同時にあれ?と思った。たしか課題の提出は先のことであったはずだ。今回は先生の都合もあり延期する旨をこの間メールが回ってきたはず。
はて、と首を傾げる。
“提出はだいぶ先じゃなかった?”
“早めに終わらせておいて損はないだろう?”
真面目な彼らしいメッセージに小さく笑みをこぼし、また返事を返す。
子供の頃からの付き合いの彼、悠真とは、腐れ縁や幼なじみとやらだが高校は違えど偶然にも大学が重なり、今ではこうしてお互いの課題を進捗報告をしたりと連絡をしている。
端末を落としテレビを点けると警報とやらが出ていた。まぁそうだろうな、大学休みになってくれないかな、なんて観ていればバイブ音が響き渡る。どうやら着信を知らせていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます