第18話「春先の色彩」

その終わりに

言葉は消える

だからこそ最後になって

尊くも儚い

泡沫を綴る


あなたの生きる

優しい世界が

私の生きた

藍色の世界と混じって


きっと誰もが

息を止め続ける


だから怖いんだ

こんなにも儚い

世界を記してその果てに

あなたの生きる世界がかすむから


だから辛いんだ

どうしても超えたい青は

その中にあって

そのかごの中には死でしかない

苦しさがあるんだ

この藍色にどうか終わりを


どうか涙と映る世界に

終わりを


もう一滴だって

心は涙に触れたくない


ありがとう

それだけ

それだけの


優しい世界


ほんとに、行っちゃうんだね。

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