第6話「篝火の混沌」
いづれ静ずる
この哀れな厄災に
いづれ言葉を絶やす
泣いた日を思い
節分を超えて
春になり
この幾分にも
答えは二人の間にある
だからもう消えてしまいたい
あの日の恋情を
あの頃の青黒さを
ただ若かったと
言い放って
終えたい
それでも決して幾多にも世界は写り
そのたびに憶測に
心根を麻痺させる
一体誰が
世界を作ったなど
知れた神々のパトロン
もういっそ醜さを
その不始末を
心得れば
きっとうまくこなせるが
それさえ一辺倒の未来に
しれゆかれる
だからただ死にたい
死んだあとで、世界を見てみたい
私の居ない世界に
期待した人たちを見てみたい
それだけだ
それだけだったんだ
こんな一夜限りの篝火に
誰が裁定を下すだろう
それでは、
月も頃合い
しずるように死そうか。
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