第5話「円環の静音」

遠い世界に

言葉を返す

この一辺倒に

誰の方策があるか

それさえ怪訝な意見に取り仕切られる

まるで奇妙な話だ


己の威信に

事は天命を

担いて

理を示す


この方便が至って

万人向けであり

事のあらましを担うには

社会に好かれねばならない


このインスタントロジックこそ

もっともスタンダートにして誰もが忘れてしまうものだ


宵の明星に

厭世観はされど達観を仰ぎ見て

事のあらましを

担うまでもなく

自身を中核におく


これぞ王政であり

かつての歴史である


いづれ果てるなら

命はいくつ潰えようと

知れた摂理


故に悲しまない

それだけだ


はやく慣れて

裏切ってやりたい

本当にそれだけだ


悲しまれて惜しまれて

その果てに私を置くなど

悲哀にもあまりある


故に最低な言葉で

別れたい


それぞ、せめての哀だ。

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