巨大ぐまとの戦い(4)
くまが僕に向かって大きな口を向けた。ダラダラと唾が落ちてくる。うっ。臭い。なんか臭う。トイレの水流し忘れた時みたいな匂い。なんか失礼だけど。加齢臭かも。いや年齢関係ないんだけども。そうこう考えていくうちに頭が混乱してくる。そろそろ口が近づいてきた。やばい食べられると思ったら、「ちょっと待ったぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」と叫んで滑り込んできた。滑り込んできたのは、いつも臆病なチンチラ君が来た。臆病なのに止めてくれた。臆病なのに僕のために勇気を出してくれたんだ。たいしたもんだ。いや感心している場合じゃない。チンチラ君の手を引いて逃げないと!僕はそう思いチンチラ君のことをおぶった。結局おぶるんかい!!!手を引くことをできない状況だったから。足ケガしてたししてたし。歩けもできなさそうです状態なんだもん。おぶるしかない状況だった。くまが逃げるなぁぁぁぁぁぁ!!と言いながら追いかけてきた。ピンチじゃん。取り敢えず無線を取ってチンチラ君の腕を首に回させた。無線でヘリ係のキャラメル君に「ヘリで助けに来て!今ピンチなの!」と伝えた。キャラメル君は「いいよ今から迎えに行くね!」と言った。話の早い後輩だ。僕とキャラメル君は将来のために学校をお休みになったのだ。だから今習っている分数の約分だってちんぷんかんぷん。プルプルプルとヘリコプターが羽の音を鳴らしてチンチラ君をおぶった僕を迎えに来た。僕は「しっかり捕まってね!」とチンチラ君に伝えてヘリのはしごに手をかけた。一歩づつ掴みつつ登っていく。中にやっと入れた時にバタン!と大きな音を立てた。チンチラ君はビビリでもあるからこういうので怖がる。だから耳栓しといた。チンチラ君を見るとやっぱり震えている。高所恐怖症ってやつだ。高所恐怖症は高い所が怖い、恐ろしいから震えてしまう怖い。そういった症状がある。高い所が恐ろしい怖い症でそのまんまの漢字。今思ったんだけどくまって喋るんだ。ガオガオっていうかと思った。初めて見たよあんなでかい喋るくま。ピンク色だから可愛いと思うかもしれないけど、中身は怖いから気をつけないと。地雷踏んだら爆発だよ。チンチラ君のケガを処置しないと。キャラメル君は傷を治すことが得意だけど今はヘリを運転しながら見渡しているから僕がやる。僕は手際は良くないけど消毒は得意だし。僕は水でしなしなになったティッシュをケガをした足につけて血と砂を取る。その後乾かしてから今度は消毒でしなしなになったティッシュを足につけた。その後消毒ができたから傷パッドをつけた。チンチラ君は何事もなかったかのように僕の背中から降りて自分の席に座った。切り替えが早いな。流石後輩。僕にこうヘラヘラしながら聞いてきた。「1日って二十四時間って本当ですか?」前習ってないって言ったはずだいたいは二十四時間だけど。僕は曖昧に「本当はないよ。23時間56分4秒かな」と適当に答えた。だってチンチラ君は意味わからない質問してくるし、答えるのが面倒くさい。そしてヒーロー用のスマホで調べたら合ってた。びっくり。僕の言ったことがあたった。僕ってやっぱり天才だからヒーロー試験受かったのかな。でもよく考えたら普通に受付の時にいいって言ってたしヒーロー試験がなかった。早くクロ先輩に伝えよう。危険だから緊急会議をしようって。
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