第5話

「わぁ、未央ちゃん!すっごく美味しそう!私の好きな物ばっかり」


嬉しそうな星香を見ながら、エプロンを外しながら、未央が微笑んだ。


「さ、座って、乾杯しましょ」


俺の隣に星香が座り、星香の真向かいに未央が座る。俺と未央はグラスビールに手をかけ、星香は、オレンジジュースを手に取った。


「星香、お誕生日おめでとう」

「星香、おめでとう」

「パパ、未央ちゃん、有難う」


グラス同士を重ねると、俺は一気に飲み干した。いつも明香の誕生日祝いの時も乾杯の後は、俺と冬馬は一気飲みだったから。


「ちょっとパパ、飲み過ぎないでよね」


星香の口を尖らす顔は、明香そっくりだ。


「分かってるよ、今日は特別だから」 


頭をくしゃっと撫でると明香が、少しだけ恥ずかしそうに、はにかんだ。


「もう、パパはすぐ子供扱いするんだから。私だって春からは、中学生なんだよ」


「星香が中学生か、早いわね、春樹」


未央が、星香が美味しそうにハンバーグを頬張るのを眺めながら、唇を持ち上げた。


「本当にな、オムツ姿が懐かしいな」


今度こそ頬を膨らませた星香を見ながら、俺は未央の注いでくれた二杯目のビールをに口をつけた。

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