第6話

「あ、パパのオムレツもすごく美味しい」


「春樹のオムレツって、絶妙なのよね、作り方は結構適当なのに」


「まだ拗ねてんの?」


ビールに口付けながら、唇を引き上げた俺を見ながら、未央が、切長の瞳を細めた。


「全然。誰だと思ってるの?」


思わず、ふっと笑った俺を見て、星香も笑う。


「今日も、未央ちゃんの勝ちね」


「そうね」


星香に向かって、にこりと微笑む未央の笑顔に、俺は思わず見惚れていた。


未央が、こんな風に優しく微笑みかけるのは、星香にだけだ。


本当の親子のように、仲良く談笑しながら食事する、二人の姿に、俺の心の中も幸せで一杯に満たされていく。

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