第2話
「勉強は、うちの学部常連トップ、水泳は、高校の時に全国大会優勝、陸上部からの誘いも絶えないくらいの瞬足だったし、家はタワマン最上階で、
美咲とは、また同じ高校で、偶然にも、同じ大学、同じ学部だった。その事もあり、私は美咲と話したり、出かけたりすることが多かった。
ただ私はいつも美咲を……。
「ほんと、その性格よねー。穢れがないというか、真っ白というかさ、この間も、隣の学部の
美咲は、口を窄めながら、アイスラテを飲み干した。
「そんなこともあったね、でもあれは、私も悪いから」
俯いた花音に、美咲がため息をついた。
「全然悪くないでしょ?恵子の付き合ってた彼氏が、アンタをたまたま見かけて、一目惚れしちゃって別れただけじゃん。そーゆーの逆恨みって言うんだよっ」
語尾を強めると、美咲は、人差し指で私のおでこを弾いた。
「あとさ、うちの大学のミスキャンパスに選ばれた
私は、俯きながら、アイス抹茶ラテをかき混ぜ、マフィンにフォークを差し入れた。
「……絵梨子ちゃん、私なんかよりスタイルもいいし、美人だし、何で、私なんかを気にするんだろう」
美咲は、再度、「だから嫌味だって」、と口を尖らせた。
「ねぇ、花音、本当に絵梨子に、腹が立たないの?いま所属してる、水泳サークルの花音のロッカーにゴキブリの死骸入れられたり、SNSで、男遊びばっかしてるとか、花音の加工したベッド写真ばら撒かれたり」
「男の人と、そういうことしたことあるの事実だし、ゴキブリも絵梨子ちゃんだっていう証拠ないしね……」
「でも、アタシ偶然見たけどね、水泳サークルでも何でもない絵梨子が部室から、挙動不審にでてくるの」
「そうなんだ」
美咲の瞳を見つめた私を睨みながら、美咲の顔が少しずつ歪んでいく。
「アンタの名前こそ公にしてないけど、絵梨子のやってること犯罪じゃん、SNSで拡散してんの絵梨子だって、いくら馬鹿なアンタでも、分かってるでしょ?アタシだったら絶対ゆるせない」
美咲は、私の表情をじっくり眺めながら、吐き捨てる様に言った。
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