概要
生れましし児の名は、火光
県立比留雲(ひるも)歴史博物館に勤める学芸員・四条みなとは、近年発掘された神琴山古墳を研究していた。古墳から出土した水奈常比売(ミナトビメ)銘鉄剣に記された、ミナト王とホノヒカリの巫女の物語、副葬品の琴と埋葬者の遺骨が見つからない石室、地元に現代まで伝わる「天女の琴伝説」……、散りばめられた謎を追跡してゆく中で、みなとは大学時代の同期、鳥居辻ひかりと再会する。みなとはかつての学友であるひかりこそが比留雲神話に語られるホノヒカリの末裔であると次第に確信してゆき、「空白の四世紀」に比留雲の地で起きたことへの幻想と誘われ、かつてこの地で繰り広げられた政争と祭祀をめぐる物語を自ら語り始める。
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