スケールの大きい【文明】ホラー
- ★★★ Excellent!!!
おもしろかった。
火山の噴火で地球の気温が低下し農作物が世界的に不作になる。
人類は食糧難におちいる。
状況は危機的だがある日「奇跡」が起きる。
その奇跡によって人類は史上最高の薔薇色の時代を迎えるが……
ラストのエピソードを読むまでこれがホラーと気づかなかった。
何の苦労もなく手に入る「ご褒美」が、インターネットやネットに付随するさまざまな利便性のメタファーになっていて、そっちにばかり気が行ったせいだ。
ご褒美のせいで一次産業が壊滅するという話もリアルだった。
実際ネットショッピングの隆盛で、個人経営の店はほぼ壊滅状態である。
ラストの海辺のエピソードは見事だった。
謎が解けてゆく快感と恐怖が二つ同時に味わえて感嘆した。
淡々と抑制された文体も恐怖をさらに高めている。
「文明ホラー」の逸品として見事な幕切れだった。
ぜひご一読をおすすめします。