第34話

「あいー、お腹空かない?」


「うーん、言われてみれば、そうかな?ほまれは?」


「もう、ぺこぺこ」


「じゃぁ、あそこで何か食べる?」


「賛成」




ここの公園はとても大きくて、ボートの他にもビニールシートを広げてお弁当を食べれるような場所がある。


ワゴン車で軽食を売っているお店もいくつかあり、その中の1つに向かうことにした。ほまれの大好きなホットドッグ屋だ。




「どれにしようかな?あいは、決まった?」


「うーん、まだ。トッピングの種類がたくさんあって迷うね、ダブルチーズか、角切りベーコンも捨てがたい……」


「じゃぁ、両方買ってシェアしようよ!」


「あ、いいね、それ」




私たちのそんな会話を聞いていたのか、店員さんが、半分に切っておきましょうか?と提案してくれた。


それにニッコリ笑って、お願いしますと、答えたその時。


あれ?どうしたの?少し離れたところで、ほまれのそんな声が聞こえた。


見ると、6歳くらいの女の子の前で屈んでいる。




「ほまれ?どうしたの?」


「うん、迷子だって」


「え?」

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