第24話

「へぇ、望月でもそういうところあるんだ?」




意外そうな目をこちらに向けて、鳥の唐揚げを口に放り込んだ高橋くん。ほどよく日焼けした彼はサッカー部のキャプテンだ。




「"望月でも"って、どういう意味?澪だってそんな時もあるよねぇ~?」




わたしの代わりに答えたのは美和。「ねぇ~?」とこちらに顔を向ける彼女に笑顔で返した。




「そうか?何か望月ってさ、何にでも興味なさそうじゃん?食べ物も腹に入れば同じだって言いそうだと思ったけど?」


「そんなわけないじゃんー、ねぇ?澪」


「なんで望月じゃなくて、美和が答えるんだよ」


「えー?別にいいじゃんー」


「お前ら、本っ当、仲良しだな」


「いいでしょ?羨ましいでしょー?」




プラスチック製の簡易なテーブルを挟んで、高橋くんと美和がじゃれ始める。それは毎日のように繰り広げられる光景で、彼はきっと美和のことが好きなんだと思う。



そして、




「お前ら煩いよ、望月が呆れてる」




緩やかな笑顔の中に少々迷惑そうな色を顰めた一条くんが、2人のじゃれあいを止めた。



美和と居るといつの間にか高橋くんが傍に来て、高橋くんの隣には一条くんがセットのように居て、そんなわけで大抵の休み時間を、この4人で過ごすことが日常化している。

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