第5話
子供の頃から、物心がついた頃から、友達という群れの中に身をおくようになった頃から……、
わたしは捻くれていた。
『れいちゃん、あそぼー』
なんて、友達が誘いに来たら、「一人で遊べよ、ばーか」と思っていたし、
『れいちゃん、大好き』
とか言われると、密かに鳥肌を立てていた。
ただ、わたしは狡くて強かだったから、一人ぼっちで生きていくほど無謀じゃなく、上辺だけを上手に繕う方法を知っていた。
『わたしも、だいすき!ずっと友達だよ』
あの時、指切りげんまんをした友達は、数日後にわたしを無視するようになった。
『ごめんね、れいちゃん。でもさ、やっぱりリーダーには逆らえないからね』
それが、その子の言い分。
わたしは少しもダメージを受けなかった。だって、初めから「友達」だなんて思ってないもの。
鬱陶しい友達ごっごが無くなって、せいせいする。馬鹿の相手をしなくていいと思うと、ガッツポーズをしたいくらいだ。
涙はひとつも出なかった。
ほらね、わたしは捻くれている―――。
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